Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 祐一郎 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (50322368)
梅本 信也 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 助手 (60213500)
阿部 純 北海道大学, 農学研究科, 助教授 (00192998)
保田 謙太郎 佐賀大学, 海浜台地生物環境研究センター, 日本学術振興会特別研究員PD
西野 貴子 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (20264822)
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Research Abstract |
平成15年5月に計画打合会議を開き,調査研究地の選定と分析対象について討議し,対象種をツルマメ,ヤブツルアズキ,コオニユリ,ヒエ属植物,メタデ,ヒヨコマメ,チガヤとし,分析の分担を決めた。佐賀,対馬,兵庫,和歌山に自生状況の調査地を設定し,それぞれ生活史特性等の調査を開始し,植物の生葉を採集し,これよりDNAを抽出し,AFLPおよびマイクロサテライトなどの適性マーカーの評価を行った。自生地の調査は主に夏季及び秋季に行った。ツルマメについては集中的な分析を行い,韓国南部と西南日本のダイズ畑に隣接したツルマメ集団においてダイズとツルマメとの間の遺伝子流動の実態と生態的関係を調査し,他殖率の推定のために種子を収集した。これについて核と葉緑体のSSR解析を行い,遺伝子流動率の推定分析を開始した。自生地における雑種後代の動態と適応度を評価した。また,個体群維持に関わるツルマメの実生の定着に関して冬期積雪する札幌と温暖な紀伊大島で経時的に調査した。草型の異なる(直立型と蔓型)2系統のダイズとツルマメの雑種後代を刈取りの頻度の異なる3つのツルマメの自生地(京都府亀岡市)に移植(5月と7月)して,生存と生長(乾物重)および繁殖(種子生産数)を調査した。生育期間中に草刈りによる撹乱のあった集団では遅く移植した個体の生存率は早く移植した個体よりも高かった。ただし,年に3回以上の撹乱があった集団では,繁殖にいたるまでにほとんどが死亡した。撹乱がまったくないか,生育期の初期のみに撹乱のあった集団では,移植時期による生存率の差異は小さかった。 韓国,マレーシア,タイにおいて海外稠査を行い,マメ科およびイネ科植物の野生遺伝資源の生葉を収集し,DNA分析として保存した。韓国では除草剤多用によって稀少化したタイヌビエおよびヒメツルアズキを収集し,タイ及びマレーシアでは多年生ヒエ属植物の栄養繁殖株および種子繁殖株,野生タケアズキとその近縁種を収集した。 従前から保有する系統および収集系統の一部について,栽培種と近縁野生種との系統関係を明瞭にするため,葉緑体および核DNAのシーケンスを行い,一部は論文を公表した。 冬季に予定した評価会議は省略し,次年度の計画会議時に評価会議を行う。
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