2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15320026
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Research Institution | The National Museum of Western Art, Tokyo |
Principal Investigator |
幸福 輝 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 学芸課長 (00150045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 直樹 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 主任研究官 (60260006)
渡辺 晋輔 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 研究員 (50332143)
栗田 秀法 名古屋芸術大学, 美術学部, 助教授 (10367675)
金山 弘昌 日本橋学館大学, 人文経営学部, 専任講師 (60327278)
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Keywords | 版画 / 古代受容 / ルネサンス / バロック / 版元 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までの研究をさらに進展させた。 これまで続けてきたヒエロニムス・コックが出版した版画のデータベース化を研究補助員とともに進め、ほぼ完成の見込みが立ってきた。コックが出版したと推定されている版画981点をすべてデータ化し、可能な限り画像もデータとして取り込んだ。従って、コックによって出版された版画作品は、すべて原図作者からも彫版家からも検索可能となった。また、幸福が関心をもつ「古代遺跡のある風景」という主題に沿って、981点のうち、72点を選択し、さらに「古代遺跡のある風景」というカテゴリーでも検索可能なものとするための準備を開始した。将来的には、コック以外の版元から出版された古代遺跡のある風景版画をも収集し、遺跡別、あるいは、実景と空想との関わりなどにも配慮したデータの構築をめざしたい。来年度での完成を目指したい。 データベース化の作業を別にすると、研究分担者各自が自らのテーマについて研究を進めた。研究代表者の幸福輝と研究分担者のひとり渡辺晋輔は、国立西洋美術館で開催された特別展『キアロスクーロ-ルネサンスとバロックの多色木版画』の企画者でもあり、そのカタログに本研究の成果をある程度反映させた。 また渡辺は、チューリヒ工科大学版画素描コレクションのパウル・タンナー館長およびミヒャエル・マティーレ博士、ミラノ・アキッレ・ベルタレッリ・コレクションのジョヴァンナ・モーリ博士らと研究について意見交換をし、同時にこれらのコレクションをつぶさに実見し、調査した。金山は、フィレンツェ古文書館の資料を渉猟した成果として、17世紀建築において古代建築復元図が果たした役割を考察した論文を著した。
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Research Products
(2 results)