2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本近世・近代の地主・名望家文書を中核とした地域史料の総合的研究
Project/Area Number |
15320093
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
丑木 幸男 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 教授 (60223525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 実 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 教授 (20296180)
青木 睦 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 助教授 (00260000)
横山 憲長 長野県短期大学, 多文化コミュニケーション学科, 教授 (50141388)
神谷 智 愛知大学, 文学部, 助教授 (20283377)
山本 英二 信州大学, 人文学部, 助教授 (20262678)
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Keywords | 日本近世史 / 史料学 / アーカイブズ文学 / 地域社会論 / 保存科学 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は、以下の3点にまとめることができる。 1.山田家およびその周辺の調査については、3回(各4日間)行い、地域社会の中核である地主山田家を多面的な角度から解明するために、各自がそれぞれのテーマについて検討した。そのテーマは多岐にわたっており、順次研究会を開催して報告していくことになっている(その一端については3.を参照)。 2.中野地域以外での史料収集としては、横浜開港資料館で、山田家はじめ中野地域から直輸出された生糸の動向について「横浜貿易新聞」をもとに検討した。新潟県文書館では、近世近代文書の管理に関する史料を調査し、文書管理史の具体的ありようを検討した。 3.上記1.2.で得られた成果を報告しあうために、研究会を2回開催した。今年度は、高橋実、降旗浩樹、谷本晃久の三氏の報告から以下の点が明らかにされた。 (1)1840年代に起きた中野村直助と山田家の商い金滞り出入りを具体的に検討し、当該期における商い帳簿認識の特質や近世における訴訟展開の特徴を明らかにした。 (2)信州における紙の生産・流通および諸藩によるその統制について基礎的な事実が提示され、山田家文書が形成される背景が紙の面で明らかにされた。 (3)山田家には箱館奉行所関係史料が残されており、これまでは箱館との関係が不明であったが、箱館奉行所のスクーネル船建造計画に伴い、出資者が集められ、安政2(1855)年には越後出雲崎陣屋手代を通じて山田家にも働きかけがなされていたことが明らかにされた。
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Research Products
(6 results)