2005 Fiscal Year Annual Research Report
中国南北朝後期隋唐期の石刻文字資料の集成・データベース構築と地域社会文化の研究
Project/Area Number |
15320095
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
氣賀澤 保規 明治大学, 文学部, 教授 (10100918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神鷹 徳治 明治大学, 文学部, 教授 (00233940)
櫻井 智美 明治大学, 文学部, 教授 (40386412)
高橋 継男 東洋大学, 文学部, 教授 (50125598)
石見 清裕 早稲田大学, 教育学部, 助教授 (00176562)
高瀬 奈津子 札幌大学, 文化学部, 講師 (00382458)
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Keywords | 墓誌墓碑 / 仏教石経 / 華北仏教 / 石刻史料 / 井真成墓誌 / 隋唐碑刻 / 薬王山石刻 / 宝山霊泉寺碑刻 |
Research Abstract |
平成17年度は3年計画の最終年度にあたり、資料の収集と整理を継続させる一方で、研究報告など全体の集約にも力点が置いた。ただし一部に当初予定した計画に間に合わなかったものがあり、年度終了後も継続させ、所期の計画を達成する。本年度の研究実績・研究活動の概要は次のようになる。 (1)9月3日〜9月12日、山東・河南・河北の仏教石刻関係遺跡の調査を実施した。主たる調査遺跡は、済南市龍洞遺跡、安陽市霊泉寺・大住聖窟、小南海石窟、洪谷山摩崖、南北響堂山石窟、水浴寺遺跡、渉県林旺石窟、木井寺碑、〓皇宮石経、曲陽八会寺佛龕、北嶽廟碑刻、房山雲居寺石経など。特に大住聖窟は全体を系統的に調査し、06年度前半に報告書を公刊する。院生を含む7名が参加した。また調査の詳細は唐代史研究会秋期大会、仏教石刻研究セミナー(明治大学)などで報告した。 (2)3年間の成果の集約に関係して、2度にわたり研究報告セミナーを実施し、多くの出席者と高い評価を得た。第1回は「中国石刻史料をめぐる諸問題」を共通テーマに、06年1月14日の一日をかけて、計9名の報告と熱心な討議がなされ、南北朝から元代までの石刻資料のもつ意義が明かされた。第2回は「石刻史料から探る北朝隋唐仏教の世界」をテーマに、06年3月10日に開催し、2名の研究報告と6名による前年の華北調査報告がなされ、仏教石刻のもつ意味が注目された。 (3)石刻研究には欠かせない拓本資料の収集につとめ、華北東部の北朝後期隋唐期墓誌および同時代の仏教石刻、さらに陝西耀県の薬王山仏教碑刻の主要な貴重碑刻が揃えられた。これら資料のデータ化に努める一方、一部を公開展示する企画を進めた(06年4月22日〜5月10日開催、明大博物館)。 (4)成果の刊行では、学術誌「東アジア石刻研究」が創刊され、今後の研究継続の態勢が整った。本誌には「隋代墓誌所在目録」などが載る。また馬長寿原著『碑刻史料からみた魏晋南北朝時代の関中部族』の正式訳出が終わり、中国新出の石刻資料目録もデータの入力が終わった(06年中にデータとして公表する)。全体の研究成果は『中国石刻史料の諸問題』として一書にまとめ刊行する。
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Research Products
(19 results)