2004 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ社会国家の成立・変遷とそれを巡る論争および学説
Project/Area Number |
15330038
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
保住 敏彦 愛知大学, 経済学部, 教授 (60167632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若尾 祐司 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70044857)
近藤 潤三 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80111863)
後藤 俊明 愛知学院大学, 商学部, 教授 (50175345)
岸川 富士夫 名城大学, 商学部, 教授 (80186212)
小林 清一 名古屋外国語大学, 国際経営学部, 教授 (30123425)
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Keywords | 社会国家 / 福祉国家 / 優生思想 / 高齢化社会 / ソーシャル・セーフテイー・ネット / ヴァイマル共和国期 / 戦争扶助 / ワーク・フェアー |
Research Abstract |
2004年度には、6月、9月、10月、12月、翌年の1月、3月の6回にわたり、研究会の例会をもった。6月には、1年間の研究計画について論じ、第29回社会思想史学会でドイツ社会国家に関する分科会を持つことを決めた。9月例会では、学会分科会での発表予定者の後藤俊明氏、近藤潤三氏、小林清一氏の報告を聞き、討論した。10月の社会思想史学会分科会では、「ドイツ社会国家の歴史と現代の問題」という統一テーマのもとに、後藤「ヴァイマル期における優生思想とドイツ福音主義」、近藤「統一ドイツにおける社会国家の問題状況」、小林「高齢化社会と福祉国家のタイプ論」の三つの報告が行われた。 12月の例会では、浜松大學の原信義氏に「両大戦間期ドイツの戦争扶助」という報告を聞き、討論した。1月の例会では、静岡大学の布川日佐史による「ドイツにおけるワーク・フェアーの展開--SGBIIの検討を中心に--」の報告を聞き、武田公子氏(京都府立大学)のコメント踏まえて、討論を行った。前者は、ヴァイマル期に関する歴史的研究であり、後者は現代ドイツの社会国家にかかわる報告であった。歴史的な研究も現代的な問題意識に基づき行うべきという観点から、現代のドイツ社会国家の変遷についても知識を得るためである。さらに、3月の例会では、岸川富士夫氏の報告「ゲオルク・ジンメルにおける貨幣的経済社会の思想」がなされた。 また、保住は、2004年6月9-12日に、ミラノのボッコーニ大学で開催された国際シュムペーター学会に参加し、「シュムペーター経済学の進化的性格」について報告した折、その前後に、フランクフルトの社会研究所において、ドイツ社会国家に関する文献について探索し、資料を収集した。また、保住は、12月に韓国人研究者を迎えて、「アジアのソーシャル・セーフティー・ネット」というテーマでの国際シンポジュームを開催したおり、「インドネシアの通貨危機とソーシャル・セーフティー・ネット」というテーマで報告した。
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