2004 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者のQOL(生活の質)と地域生活支援に関する研究
Project/Area Number |
15330127
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
岡田 まり 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (40309076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三品 圭子 花園大学, 社会福祉学部, 助教授 (50340469)
栄 セツコ 桃山学院大学, 社会学部, 講師 (40319596)
岡田 進一 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (20291601)
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Keywords | 精神障害者 / QOL / 地域生活 / 生活支援 / 自己決定 / ACT |
Research Abstract |
今年度は、最新の文献をレビューすると同時に、地域で生活する精神障害者とその家族、そしてその生活を支援する専門職への調査を行った。まず昨年度に引き続き、重い精神障害をもつ人が可能な限り質の高い、安定し自立した生活を送り続けるための支援について、日本の福祉・心理・医学・看護等の専門職に助言を求めた。さらに、米国の精神保健領域で著名なゲイリー・ボンド氏などからも、多角的な視点からの助言を得た。得られた助言の内容は、当事者がリカヴァリ(回復)をめざせるような支援のあり方やアプローチ、家族への支援、福祉・保健・医療・労働・教育などを含む包括的かつ継続的なサービス提供の必要性、チームアプローチの方法とプロセス、就労支援における新しい考え方と実践など多岐にわたった。 また、地域で生活する精神障害者を対象として生活状況とQOL向上のきっかけを把握するために昨年度実施したフォーカス・グループ・インタビューの結果について、今年度はエキスパートからのレビューを得て考察を深めたうえで、日本公衆衛生学会、日本社会福祉学会、日本精神障害者リハビリテーション学会で報告した。さらに、これらのグループインタビューの結果と先行研究、専門職からの助言に基づいて、精神障害を持つ人のQOLと生活満足度、生活体験、希望、自己決定などの関係を明らかにするための自記式質問紙を作成した。そして、その質問紙を用いて、精神障害者通所授産施設や地域生活支援センターなどの利用者を対象とする横断調査を実施し、上記変数の間に関連があることを検証した。今後、QOL尺度や主要概念に関する尺度の信頼性や妥当性を向上させるための研究を継続して行う予定である。
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