2005 Fiscal Year Annual Research Report
少子化と地域差を考慮した基礎学力を保障するための小中高一貫教育の総合調査研究
Project/Area Number |
15330171
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research (NIER) |
Principal Investigator |
坂野 慎二 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (30235163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 郁夫 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 部長 (10130296)
川島 啓二 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (50224770)
木岡 一明 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (10186182)
屋敷 和佳 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (70150026)
名取 一好 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (70026623)
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Keywords | 小中高一貫教育 / 地域差 / 学力保障 / 高校入学 / 選抜方法 |
Research Abstract |
1.学校選択と共通教育 個人に適した教育を提供する際に、効率を考えると、トラッキングあるいは学校制度による分岐が生じる。ほとんどの国で中等教育段階では学校内外でのトラッキングが行われている。小規模学校における教員数は限られており、多様な教育を提供することは困難である。オーストラリアやアメリカ等で発達している遠隔教育の可能性を追求することが今後重要となるであろう。一方、人口密集型の都市部では、学校選択による効率化が可能である。 2.標準テストによる評価 近年の各国の動向は、標準テストによる出口評価を行うことにより、「学力」の保証を行おうとする傾向が強いことである。こうした傾向は、国際学力調査の結果によって、教育政策担当者が、対応を迫られることによって加速している。1つの水準による標準テストの合格率による評価は、その水準を達成することが不可能を思われる生徒の学習意欲を著しく低下させる。 3.学校評価と質保証 近年、各国で学校評価が導入・普及している。しかしアメリカ等は州が実施する標準テストの結果のみが重視されており、子どもの成長を十分に勘案できない事例も生じている。学校が行っている努力によって、どれだけ生徒が成長したのかを明示するプロセス評価が今後重要になると考えられる。 4.個性・個別性と共通性の調和 今日の教育政策は、画一化・均質化から脱却し、特色ある学校づくりや児童生徒の個性重視といった流れになっている。しかし「基礎・基本」といわれるような各人に共通に必要な知識や技能、そして人間性や社会性も同時に必要とされる。個人の自己実現のみならず、社会貢献を意識した人材育成が必要である。近年、「コンピテンシー」について議論されているが、何かを達成するために必要な能力を幅広くとらえ治すことが必要であろう。
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Research Products
(5 results)