2005 Fiscal Year Annual Research Report
書字行為と言語能力の発達との関係に関する経年的研究
Project/Area Number |
15330193
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鈴木 慶子 長崎大学, 教育学部, 助教授 (40264189)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 公 四国大学, 文学部, 教授 (00110346)
松本 仁志 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (40274039)
千々岩 弘一 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 教授 (90163724)
小野瀬 雅人 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (40224290)
仲 真紀子 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00172255)
|
Keywords | 聴解力 / 作文力 / 書字力 / 言語能力 / 発達 / 校長先生の話 / 三島小学校 / 統制なし |
Research Abstract |
本研究3年次である本年度は、三島小学校の児童を対象にした研究を、重点的に行った。すなわち、平成16年末までの三島小データにさらなる分析を加え、全国大学国語教育学会(岐阜大会)のラウンドテーブルで俎上にあげ、多面的な検討を行った。 第109回全国大学国語教育学会(2005/10/30・ラウンドテーブル) 研究の全体像:「書く」活動と、言語能力の発達の関係 -三島小の事例を中心に- コーディネイター;鈴木慶子(長崎大学) 話題提供1;校長先生のお話を「聞く」ことが児童の「書く」力に及ぼす影響に関する研究 小野瀬雅人(鳴門教育大学) 話題提供2;「書く」活動と、言語能力の発達の関係 -三島小の事例を中心に- 田中智生(岡山大学) 話題提供3;国語教育のスタンスからみた聞くことの調査研究と、教室コミュニケーション論からみた場合 長田友紀(北海道教育大学・函館校) 以上からは、下記のような成果と課題が導かれた。 (1)三島小データから、3つの能力には、弱いながら、下記のような相関があることがわかった。聴解力・書字力(r=.21,p<.05)、聴解力・作文力(r=.36,p<.01)、書字力・作文力(r=.27,p<.01) (2)アンケートの結果、各力の高い児童には、校長先生の話をよく覚えている児童が多い。また、「文字を書くことが好き」である児童は、「書字力」「作文力」が高い傾向にあることがわかった。 (3)実験授業ではなく日常の活動を対象としているところに価値がある。しかし、教師の働きかけとの関連をどのように見るのかが、課題である。 (4)「聞く」力を対象にした調査研究は、きわめて少ない。したがって、このような調査研究を地道に積み上げていくことが重要である。
|