2004 Fiscal Year Annual Research Report
2000K高温環境下における高耐久性厚い炭素薄膜の開発
Project/Area Number |
15340086
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Research Institution | High Energy Accelerator Organization Laboratory |
Principal Investigator |
菅井 勲 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (80150291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木田 是夫 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (00113415)
入江 吉郎 日本原子力研究所, 東海研究所・大強度陽子加速器施設開発センター, 主任研究員 (00124173)
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Keywords | 炭素ファイル / 荷電変換 / 大強度陽子加速器 / 重イオン加速器 |
Research Abstract |
1.厚いハイブリッド型長寿命炭素フォイル(350μg/cm^2)の開発と製作 厚さ170μg/cm^2以上のハイブリッド型厚い長寿命フォイルを開発するため、(A)純炭素フォイルで長寿命の役割をはたす立型アーク蒸発源と(B)高温度でも蒸発しにくい炭素を含む混合物質を蒸発する役割を果たす水冷式傾斜型アーク蒸発源の2ユニットの蒸発源を製作した。両アークユニットをEBX-2000Cの真空装置に組み込み真空テスト並びに高温アーク放電テストを行なった。結果は炭素アーク付近の温度は2500℃以上の高温になるため連続10秒以上のアーク保持は炭素電極を支持しているタンタルや絶縁材は溶解して合金を作り劣化することが分かった。そのため10秒以内であれば損傷なく安定にアーク蒸着をできることが分かった。 2.ハイブリッド型炭素フォイルの寿命測定 上記の2つの蒸発源を用いて(A)物質と(B)物質との層状と混合の蒸着法を試みた。各フォイルの寿命測定は東工大の3.2MeV、ビーム電流3μAのネオンイオンビームを用いて行なった。層状と混合型のハイブリッド炭素フォイル、熱伝導の優れているダイヤモンドフォイルと従来使用の市販の炭素フォイルも比較のためにをテストした。テストした3つの種類のフォイルの厚さは250〜360μg/cm^2の範囲。 3.ハイブリッド炭素フォイル、ダイヤモンドフォイル、市販の炭素フォイルの寿命測定の結果と比較 測定結果はハイブリッド型の層状と混合蒸着法による寿命の違いはなかった。ハイブリッド型フォイルは最大7100mC/cm2,ダイヤモンドフォイルは95mC/cm2、市販のフォイルは22mC/cm2を示した。ハイブリッド型フォイルはダイヤモンドフォイルの75倍、市販のフォイルの320倍に相当する世界でも前例のないスーパー長寿命を示した。しかも、フォイル温度1500℃の高温度下で長時間のビーム照射にも関わらず膜厚減少は僅か20%以内であった。しかし、フォイルの一部にアニール後にピンホールが沢山生成した。これは将来の解決すべき問題である。
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Research Products
(6 results)