2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340090
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
須田 利美 独立行政法人理化学研究所, 本林重イオン核物理研究室, 副主任研究員 (30202138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若杉 昌徳 独立行政法人理化学研究所, 加速器技術開発室, 先任研究員 (70250107)
大西 哲哉 独立行政法人理化学研究所, 延與放射線研究室, 基礎科学特別研究員 (50360516)
竹田 浩之 独立行政法人理化学研究所, 延與放射線研究室, 基礎科学特別研究員 (30392020)
栗田 和好 立教大学, 理学部, 助教授 (90234559)
小関 忠 独立行政法人理化学研究所, 加速器技術開発室, 先任研究員 (70225449)
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Keywords | 短寿命不安定核 / 電子散乱 / イオントラップ / 電子リング / SCRIT / ルミノシティー |
Research Abstract |
まったく前例のない電子散乱による短寿命不安定核の内部構造研究のための、新しい実験方法を我々は考え出した。電子蓄積リングで観測されるイオントラップ現象を利用し、蓄積電子リング内の電子ビーム上に外部から入射する短寿命不安定核の自己閉じこめ型浮遊標的(SCRIT:Selft-Confining RI Target)を作りだし、電子散乱実験を行おうとするものである。数値シミュレーションによれば、入射イオンを10^8/sec打ち込めば、10^<28>/cm^2/s以上という電子散乱実験には十分なルミノシティーが期待できる。 平成15年度の科研費によりこの新しい方法を実証するための装置を製作し、既存の電子リング(京都大学KSR)に組み込んだ。今年度は、電子リングを運転し、電子ビームエネルギー100MeV,蓄積電流80mAの条件下で本格的に実証実験を開始した。外部イオン源から安定核Csイオンを打ち込み、計算通り電子ビームにイオンが捕獲されるか、そしてそのルミノシティーを決定できるか、などの開発実験を行った。その結果、9月のテスト実験で、外部入射のCsイオンを数秒間捕獲することに世界で初めて成功した。ほぼ事前の計算通り、10^7ヶのイオンが電子ビームに捕獲されたことを確認した。計算上10^<26>/cm^2/sのルミノシティーが達成されていたことになる。 短寿命不安定核との電子散乱実験を可能にするSCRIT法という新しい実験技術の確立に成功した。 この成果は10月にイタリアで開催されたErice School on Nuclear Physics, "Lepton Scattering and the Structure of Hadrons and Nuclei"で招待講演として発表された。
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Research Products
(3 results)