2003 Fiscal Year Annual Research Report
高周波四重極電極による高強度重イオンビーム捕獲の研究
Project/Area Number |
15360041
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岡村 昌宏 独立行政法人理化学研究所, 放射線研究室, 研究員 (80332245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 俊幸 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (50134648)
小関 忠 独立行政法人理化学研究所, 加速器技術開発室, 先任研究員 (70225449)
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Keywords | レーザー / 重イオンビーム / 四重極共振器 / 高周波 |
Research Abstract |
理化学研究所の10ジュール炭酸ガスレーザーと300mJYAGレーザーを用いて、レーザープラズマに含まれる重イオンの組成、パルス時間内でのその変化を調べた。この結果、運転の容易なYAGレーザーでも短パルスながら高電荷の重イオンが効率良く生成できることが判った。現在利用可能なレーザー装置でも金属ターゲットを用いることによって100mA以上捕獲出来る可能性がある。必要とされるビームパルス幅を得るには、従来、固体ターゲットとイオン引きだし部分(本研究では高周波四重極加速器の入り口部分)との距離を調整することによって行われてきたが、空間電荷効果を考慮した計算機シミュレーションを通じて静電レンズを配置することによって効果的にイオン引き出しを行い高密度状態の重イオンビームを輸送できる可能性を示した。このシミュレーションを基に電極部分を現在、製作している。 イオン捕獲装置として高周波四重極共振器用の加速電極を設計した。捕獲後の加速軸方向の空間電荷反発力を観察するために加速電極に無変調な部分を設けた。四重極型共振器は、一般に普及している4ベイン型ではなく、4ロッド型である。4ロッドタイプの高周波四重極は非対称な共振構造からダイポール成分が発生しやすく、さらに、レーザー収束用ミラーの共振器に対する影響を考慮する必要があるため、詳細な3次元高周波電場計算を行う必要があった。そこで、既存の高周波電磁場解析ソフト(Soprano/OPERA3D, Microwave Sutdio)を用いて共振構造の解析を行った。これらの結果を踏まえて高周波加速電極を製作し空洞共振器に設置した。
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