2004 Fiscal Year Annual Research Report
構造物の戦略的維持保全のための赤外線グローバル診断システムの開発
Project/Area Number |
15360055
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阪上 隆英 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50192589)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
宮川 豊章 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80093318)
服部 篤史 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30243067)
井岡 誠司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50283726)
小林 茂広 住友大阪セメント, セメントコンクリート研究所, 副所長(研究者)
|
Keywords | 非破壊評価 / 赤外線サーモグラフィ / ロックイン計測 / 経年構造物 / 鉄鋼構造物 / コンクリート構造物 / 剥離 / き裂 |
Research Abstract |
経年インフラ構造物は,代替構造物がないまま,寿命延伸を余儀なくされている.このような背景の下,構造物の維持保全技術の開発が重要となっている.既存の検査および維持保全の体系である時間ベースの維持基準の適用は,供用効率の低下,検査コストの増大を招き,資源・エネルギを浪費することに他ならない.本研究では,コンディションベースの供用適合性評価およびリスクベース維持保全等,新しい維持保全思想の導入による,構造物の戦略的維持保全技術の構築のために不可欠となる構造物のグローバル診断・評価システムとして赤外線計測に基づく診断・評価システムの開発を行う. 平成16年度には,赤外線グローバル診断システムの開発を行った.高精度赤外線サーモグラフィのデータを処理するロックイン熱波動応答計測ソフトウエアを開発し,診断システムに組み込んだ.アクティブリモート加熱装置として,赤外線ビーム集束加熱装置を試作し,その性能評価を行い,次年度作成の装置の最終設計を行った.これまでに開発を完了した測定システムを用いて,コンクリート構造物中のはく離欠陥を検出し,はく離欠陥の位置および形状を定量計測することにより,システムの有用性に関する実験的検討を行った. さらに,評価の対象とする経年インフラ構造物として,クレーンや高速道路橋梁等の鉄鋼構造物を加え,構造物中の疲労き裂を遠隔からモニタリングする手法の開発を行った.き裂による特異応力場に基づく熱弾性発熱の特徴的温度場を検出できる自己相関ロックイン赤外線サーモグラフィを開発した.開発した手法を用いて実験的検討を行った結果,鉄鋼構造物に存在する疲労き裂を遠隔から非破壊非接触に検出できることを明らかにした.
|
Research Products
(7 results)