2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化ナノホールをテンプレートとした炭素ロッド配列構造の形成とエミッタ応用
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15360167
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高萩 隆行 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40271069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新宮原 正三 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (10231367)
坂上 弘之 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (50221263)
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Keywords | アルミナナノホール / 高分子ナノ構造体 / 陽極酸化 / ポリアクリロニトリル / 耐炎化 / 炭化 / ラマン / XPS |
Research Abstract |
アルミニウムを陽極酸化するとその表面にナノメートルサイズの穴(ホール)が形成される。処理条件を選ぶことによって、同じ大きさのナノホールを規則的に自己組織的に配列して形成することが可能である。切断端が変形しないようにプラズマ切断機を用いて切り出した高純度アルミニウム板の表面10mm角の領域を電解研磨により表面平滑化を行った。陽極酸化は0.3Mのシュウ酸水溶液を用いて、2段階陽極酸化を実施した。その後リン酸処理でホール径を拡大した。最終的に得られたナノホールの直径と深さをSEM観察で確認した。炭素繊維の原料高分子であるポリアクリロニトリル(PAN)をジメチルフォルムアミドに溶解した溶液を作製した。これらの溶液をナノホール基板表面に滴下し乾燥した。清浄なシリコン基板を表面に貼り付けた後に、リン酸/クロム酸混合溶液でアルミナテンプレート部分を除去した。SEM観察したところ、ほぼアルミナノホールの直径に依存した直径の高分子ナノロッドが繊毛状に配列しているのが観察された。すなわち、ナノホールテンプレートの形状が高分子にうまく写し取ることができ、高分子ナノ構造体が形成された。次に、PATを大気中で250℃などの温度で加熱して耐炎化処理を行った。XPSでラダーポリマー構造を持った耐炎化構造になっていることが確認された。さらに、これに続いて700℃以上の加熱をアルゴン中で行い、炭化した。炭化後SEM観察すると、数十nm前後の直径のロッドが認められた。またラマン分析したところ、炭化構造に特徴的な1585cm^<-1>(Dバンド)と1360cm^<-1>(Gバンド)のピークが認められ、炭素系ナノ構造が実現していることが確認された。また、SEM観察時の二次電子放出挙動を観察したところ、炭素ナノ構造の先端部が明るく光り、二次電子放出量が多く、電界放出電子源としてのポテンシャルも高いものと推測された。
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Research Products
(2 results)