2005 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本における欧米の先進土木技術の導入状況に関する実証的研究
Project/Area Number |
15360280
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
馬場 俊介 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (10111832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 輝久 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (20304339)
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Keywords | 近代日本 / 土木技術 / 技術史 / ダム / 港湾 / 運河 / 橋梁 |
Research Abstract |
近代日本の国造りにあたり欧米先進国から導入された土木技術が、(1)当時の世界の技術発達史上どのようなレベル・位置付けにあり、(2)その技術が日本国内でどのように受容され継承されていったか、また、それによって(3)個々の土木遺産の技術評価はどう変化するか、などについて明らかにしようとする、ことが研究の目的であった。 この研究テーマに関して、最終年度となる平成17年度に実施したことは、a)海外の現地調査(科学研究費ではなく運営費交付金で実施)、b)国内外の資料収集と分析、c)研究成果報告書の作成、の3つに分けることができる。 まず、a)については、費用の関係から、運営費交付金で実施したが、内容的には、本研究を補強するものであり、ヨーロッパの近代に構築された、防波堤、吊橋、コンクリート橋を調査した。それにより、初期の防波堤、斜張橋と分岐する境界線上にある吊橋、初期の量塊コンクリート橋の実態を掌握し、当該分野の技術史の構築に役立てることができた。 また、b)の国内外のデータについては、19世紀の吊橋とコンクリート橋に関わる海外のデータ、及び、明治〜大正期における同種の構造物に関わる資料の収集を図り、海外の技術とわが国の技術が、前者(吊橋)と後者(コンクリート橋)では、異なった経緯で発展していったことを確認した。 最後のc)については、この3年間で研究対象としたダム(曲線重力式、アーチ式、バットレス式、余水吐)、運河(閘門、インクライン)、港湾(防波堤、ケーソン施設、ニューマチック・ケーソン工法)、橋梁(吊橋、コンクリート橋)の4項目について、上記(1)(2)(3)の視点を交えて、研究成果報告書を作成することにしている。 今回、本研究テーマで、科学研究費補助金が得られたことで、これまで、研究が手薄であった分について、世界と日本を絡めた幅の広い技術史を構築する手がかりを得ることができた。
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Research Products
(3 results)