2004 Fiscal Year Annual Research Report
イオン電導セラミックスを用いた骨組織伝導材料の開発
Project/Area Number |
15360338
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 聡 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (40227898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 仁大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70174670)
大柿 真毅 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (50223748)
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Keywords | 水酸アパタイト / イオン電導性 / 分極 / 骨伝導 / 表面電荷 / 生体活性ガラス / 初期接着 |
Research Abstract |
本研究では、分極により大きな表面誘起電荷が得られるイオン電導性セラミックスを応用し、骨組織伝導が制御できる新規生体材料を開発することを目的として、分極イオン電導性セラミックスの骨類似アパタイト伝導メカニズムの解明、接着性細胞外基質の吸着実験ならびに培養細胞系及び動物実験系による生物学的評価を行うことを目的としている。 今年度においては,まずイオン電導性セラミックスとして水酸アパタイトおよび生体活性ガラスを選定し,以下に述べるような検討を行った。 分極処理をした水酸アパタイトを骨組織中に埋入した場合,骨形成が早期に起こることは既に実証した。その際に血管新生も早期に誘導されることが示された。そこで,ウシ由来の血管内皮細胞の培養系を用いて,血管内皮細胞にイオン電導性セラミックス表面に誘起された電荷が与える影響について検討した。その結果,分極電荷誘起面では初期接着促進されていることが明らかになった。 次に,生体活性ガラスが電気分極可能であるかどうか,また可能であればその分極特性の評価をおこなった。その結果,生体活性ガラスは電気分極可能であることが判明した。分極はナトリウムイオンの構造内移動により生じると考えられた。また,分極処理ならびに脱分極電流測定時の,加熱によるガラス構造変化が,水酸アパタイトと異なり無視できないので,複雑な,分極および脱分極挙動を示すことがわかった。また,得られる表面誘起電荷は,水酸アパタイトと比べて100倍以上大きかった。このことから生体活性ガラスは分極処理により,大きな表面誘起電荷を容易に付与することができ,これにより生体内反応が広範囲にマニュピニレーションできる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)