2003 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属ナノワイヤー配列の強磁場環境における電気化学プロセシング
Project/Area Number |
15360402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福中 康博 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (60111936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 英史 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (60234415)
石井 隆次 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20026339)
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Keywords | 強磁場 / 電析 / 遷移金属 / 鉄 / ニッケル / ナノワイヤー / 結晶配向 / 結晶形態 |
Research Abstract |
本研究では強磁性材料であり、かつ大きな結晶磁気異方性を有する遷移金属を強磁場中で電析させ、電析薄膜の配向制御ならびにナノワイヤー配列制御の基礎的知見を得ることを目的とした。 電解浴として、硫酸鉄水溶液を用いた。作用極には銅板、対極には同面積の純鉄を使用し、向き合った形でダクトセル内壁面側面に電極を配置した。電析条件は、電流密度10 mA cm^<-2>の定電流で通電量が150クーロンに達するまで電解を行った。 本研究で得られた電析膜のX線回折測定の結果、磁場を印加しない場合では、(211)面のピークが鋭く立ち上がり、電析膜が(211)面に配向していることが分かった。一方5Tの磁場を印加した場合は、(211)面のピークの他に(110)面のピークが若干大きくなっていることが分かった。(211)面でのピークの半値幅を比較すると、磁場中で得られた電析膜の半値幅の方が若干大きく、磁場を印加することで結晶粒が小さくなる傾向にあることが示唆された。次に、磁場強度と優先配向の関係を検討した。その結果、磁場の有無に関わらず(211)面が優先配向していることが明らかとなった。一般的に鉄などの体心立方構造金属の電析では、中庸過電圧域で(211)面が優先配向することが知られている。本研究で得られた優先配向は磁場の有無に関わらずその電場の影響が大きかったと考えられる。しかしながら、磁場強度の増加に伴って(211)面が若干抑制され、それに伴って(110)面の配向性が増加傾向にあるのは、磁場を印加した時に生じるMHD効果(Magneto Hydro Dynamics Effect)によるものと考えられる。MHD効果によって溶液が撹拌され、それによって電極近傍での物質移動が促進されることで、陰極表面のpHの上昇が抑制され電析膜の配向形成に何らかの影響を与えたものと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Konishi, M.Motoyama, H.Matsushima, Y.Fukunaka, Y.Ito: "Electrodeposition of Cu nanowire arrays with a template"Journal of Electroanalytical Chemistry. 559. 149-153 (2003)
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[Publications] M.Morisue, Y.Fukunaka, E.Kusaka, R.Ishii, K.Kuribayashi: "Effect of gravitational strength on nucleation phenomena of electrodeposited copper onto a TiN substrate"Journal of Electroanalytical Chemistry. 559. 155-163 (2003)
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[Publications] M.Ota, S.Izuo, K.Nishikawa, E.Kusaka, Y.Fukunaka, R.Ishii: "Measurement of concentration boundary layer thickness development during lithium electrodeposition onto a lithium metal cathode in PC"Journal of Electroanalytical Chemistry. 559. 175-183 (2003)
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[Publications] Y.Konishi, Y.Nakamura, Y.Fukunaka, K.Tsukada, K.Hanasaki: "Anodic dissolution phenomena accompanying supersaturation of copper Sulfate long a vertical plane copper anode"Electrochimica Acta. 48. 2615-2625 (2003)
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[Publications] K.Nishikawa, M.Ota, S.Izuo, E.Kusaka, Y.Fukunaka, R.Ishii: "Transient natural convection induced by electrodeposition of Li+ ions onto a lithium metal vertical cathode in propylene carbonate"Journal of Solid State Electrochemistry. 8. 174-181 (2004)