2004 Fiscal Year Annual Research Report
硝酸汚染飲料水の固体触媒法超高速浄化システムの構築
Project/Area Number |
15360425
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
奥原 敏夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (40133095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 裕介 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (60322848)
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Keywords | 硝酸還元 / 飲料水汚染 / 固体触媒法 / Cu-Pdクラスタ / 微粒子Ni / 亜硝酸還元 |
Research Abstract |
飲料水への適応を目的としたCu-Pdクラスター触媒による低濃度NO_3^-の高N_2選択的浄化、および卑金属微粒子触媒による工業排水中の高濃度NO_3^-の高速除去を検討した。 (I)NO_3^-還元反応に対して、Cu-Pd合金触媒が比較的高いN_2選択性を示すことが知られているが、飲料水浄化への適用には副生NH_3量をさらに低減する必要がある。本研究において、均一な活性点を持つCu-Pd合金クラスター触媒が、NO_3^-をNO_2^-へと高選択的に還元する特異な特性を持つことを見出した。さらにCu-Pd合金クラスター触媒が、中性溶液中でのNO_2^-還元反応に対して高活性を示し、かつ副生NH_3の選択率を3.3%にまで低下できることを明らかにした。これらCu-Pd合金クラスター触媒による、NO_3^-からNO_2^-への高選択的還元反応(1段目反応)と、NO_2^-の高N_2選択的還元(2段目反応)の組合せにより、飲料水中の低濃度NO_3^-をN_2へと無害化できる可能性を示した。 (II)工業排水中のNO_3^-浄化のためには、非常に高濃度なNO_3^-を高速で除去できる触媒の開発が不可欠である。また触媒材料として、高価な貴金属よりも安価な卑金属が工業的に望ましい。本研究において種々の卑金属微粒子触媒を検討した結果、微粒子Ni触媒がNO_3^-還元反応に対して非常に高い活性を示すことを見出した。さらに微粒子Ni触媒への微量Zrの添加が、触媒活性の向上と安定性の向上に有効であり、これにより貴金属を含まない高活性NO_3^-還元触媒を世界に先駆けて開発することに成功した。ZrはNiの酸化抑制および触媒の凝集を防ぐ効果がある。微粒子Ni触媒への微量貴金属の添加を行ったところ、活性向上にはPtが効果的であり、Ptを1wt%添加することでCu-Pd合金触媒の50倍以上、微粒子Ni触媒の6.5倍に活性を向上させることができた。このPt-Ni触媒は、非常に高速で高濃度NO_3^-の除去が可能であり、工業排水処理用触媒として期待できる。
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