2003 Fiscal Year Annual Research Report
美しい構造を有する組織・臓器を作るための新しい戦略
Project/Area Number |
15360436
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新海 政重 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70262889)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 耕一 産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 研究員
長棟 輝行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
|
Keywords | 再生工学 / 組織工学 / 臓器移植 / 細胞外マトリクス / 医用材料 / 細胞表層工学 / シグナル伝達解析 / 微小加工 |
Research Abstract |
(1)細胞固定化剤(BAM)を使った細胞の擬三次元(Pseudo 3D)配置 シャーレ上にBAMを一定のパターンで塗布し、細胞懸濁液を添加したところ、細胞の固定が確認された。細胞固定の後、コラーゲンゲルを細胞の上に載せ、培養したところ、コラーゲンの種類によって細胞の挙動が変化することがわかった。また、ポリジメチルシロキサンで作製したマイクロ流路上にBAMを塗布し、流路側面に細胞を固定化することができた。これらの結果より、組織・臓器の断面をシミュレートした擬三次元的な培養法を構築できることが示唆された。 (2)トランスグルタミナーゼゲル化法を用いた細胞外マトリクス配置と基本骨格ペプチド設計 本年度はRGDペプチドなど細胞接着因子のコンセンサス配列を持つペプチドやトランスグルタミナーゼ結合部位を複数有するマトリクスの基本骨格となるペプチドを設計し、これらが人工的な細胞外マトリクスとなることを確認した。また、ポリジメチルシロキサンで流路の型を作製し、これにゼラチンを流し込み、ゲル化することでゼラチンゲルのマイクロ流路を作製することができた。マイクロ流路には浮遊性細胞を流通することができ、細胞と細胞外マトリクスとのミクロ構造を構築することができた。 (3)細胞内可視化、細胞間可視化技術を使ったシグナル伝達の解析 蛍光共鳴エネルギー移動原理に基づく免疫学的測定法を利用し、細胞-細胞間・細胞-細胞外マトリクス分子接着による効果を分子間結合のダイナミクスを調べることを目的に、今年度はそのモデル系としてヒトアルブミンに対する単鎖抗体とGFP/YFP/CFP等の蛍光蛋白質との複合体を用い観察を行ったところ、細胞内での検出が可能であった。
|