2003 Fiscal Year Annual Research Report
船舶運航におけるチームオペレーションの安全性評価手法に関する研究
Project/Area Number |
15360463
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | 東京商船大学 |
Principal Investigator |
小林 弘明 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (70016963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 真 富士商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (40149919)
新井 康夫 (独)海技大学校, 航海科, 教授
石橋 篤 東京海洋大学, 海洋工学部, 講師 (00242321)
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Keywords | 船舶運航 / 船舶操縦 / チームオペレーション / 操船者特性 / 出入港操船 / 曳船 / 水先案内人 / 安全性評価 |
Research Abstract |
本研究は、船舶操縦をチーム・オペレーションとして捉え直し、操船のタスクと構造、機能配置について調査・解析することにより、船舶操縦におけるチーム・オペレーションとしての安全性評価手法の開発を目指すものである。 具体的には、船舶操縦において求められるチーム・オペレーションを抽出し、下記3種類に分類し、・船舶内のチームオペレーション:輻輳海域及び出入港における船橋内チームによる操船 ・船舶-船舶間のチームオペレーション:出入港時の複数の曳船を伴うパイロット・チームによる操船 ・船舶-陸上間のチームオペレーション:遠隔支援を行う陸上オペレータと船舶操船者のチームによる操船 チームオペレーションの視点から、これらの船舶操縦局面毎にタスクと構造の調査と分析を行い、機能の安全への感度と機能配置法を求め、チーム・オペレーション下の船舶操縦の安全性評価手法として統合化するものである。主たる調査・検証手段として実務操船者を被験者とした大型操船シミュレータによるシミュレータ実験、練習船による実船実験を実施し、現実の船舶操縦との対応を確保した適用可能性の高い安全評価手法の確立を目標としている。 本年度は船舶-船舶間に関するチームオペレーションに関する調査、分析、実験を行うとともに曳船使用時の支援システムのプロタイプを作成した。以下に本年度の研究より得られた成果の概要を示す。 1.操船者が複数の運動を同時に制御目標とする必要がある操船場面においては、使用する曳船の選定及びその制御量の決定が困難となる。 2.操船目標に対する偏差を修正するために用いる曳船隻数が3隻以上となる操船場面においては操船者が操船目標に対して有効に活用することができないと考えられる。 3.曳船を利用した操船状況における操船者特性に基づいて支援システムの開発を行った。 来年度以降は支援システムの検証とともに船舶-陸上間のチームオペレーションについて調査・分析を行う。
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