2003 Fiscal Year Annual Research Report
好熱性古細菌における脂質生合成―その独自性と進化的位置づけを探る―
Project/Area Number |
15370049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西野 徳三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90005827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
邊見 久 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60302189)
中山 亨 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80268523)
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Keywords | 古細菌 / アーキア / 脂質生合成 / イソプレノイド / エーテル脂質 / プレニルキノン / ドリコール / イソペンテニルニリン酸 |
Research Abstract |
1.植物、光合成細菌で見いだされたゲラニルゲラニル基還元酵素のホモログを高度好熱性古細菌Archaeoglobus fulgidusより複数単離し、大腸菌での異種発現系を構築した。その結果、1つの形質転換体においてのみプレニル側鎖の還元によるキノンプロファイルの変化が観察された。酵素を精製し、還元剤存在下、嫌気環境においてin vitroアッセイによる詳細なキャラクタリゼーションを行った結果、同酵素はメナキノンに高い特異性を示す、新奇酵素であることが分かった。A.fulgidusは完全飽和したプレニル基を側鎖に持つ特殊なメナキノンを生成することが報告されており、同酵素はその生合成に関与していると推測される。 2.高度好熱性古細菌Sulfolobus solfataricus由来イソペンテニルニリン酸イソメラーゼを大腸菌を宿主として大量発現させ、精製酵素を用いて性質決定を行った。その結果、同酵素はフラボタンパク質であり、一般的な酸化還元酵素と同様、NADHデヒドロゲナーゼ活性を有することが分かった。同活性はイソペンテニルニリン酸の添加により阻害されるため、還元状態の酵素がイソメラーゼ反応を触媒する、フラボタンパク質としては異例の反応機構を提唱し、その証明を試みている。 3.S.solfataricusにおいて膜脂質生合成に関与する重要酵素である、ジゲラニルゲラニルニリン酸合成酵素の遺伝子を同定することに成功した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hemmmi, H. et al.: "Fusion-type lycopene β-cyclase from a thermoacidophilic archaeon Sulfolobus solfataricus"Biochem.Biophys Res.Com. 305(3). 586-591 (2003)
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[Publications] Hemmmi, H. et al.: "An alternative mechanism of product chain-length determination in type III geranylgeranyl diphosphate synthase"Eur.J.Biochem.. 270(10). 2186-2194 (2003)
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[Publications] Takahashi, S. et al.: "Isolation and expression of Paracoccus denitrificans decaprenyl diphosphate synthase gene for production of ubiquinone -10 in Escherichia coli"Biochem.Eng.J.. 16(2). 183-190 (2003)