Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏 雅之 茨城大学, 農学部, 教授 (40204383)
佐藤 和憲 (独)中央農業総合研究センター, 総合研究第4チーム, チーム長 (80355601)
浅野 耕太 京都大学, 大学院・地球環境学堂, 助教授 (50263124)
糸長 浩司 日本大学, 生物資源学部, 助教授 (10184706)
辻 雅男 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90284554)
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Research Abstract |
本研究は,わが国中山間地域再生のための新たな農村マネジメント主体の形成可能性について解明することを目的とする。そこでのポイントは,行政(自治体、国)、コミュニティ・民間非営利・民間営利の各セクター間における協働システムであり,こうした異種セクター間のパートナーシップのあり方と可能性を解明することである。 本年度は,初年度に実施した理論的整理に基づき,主として事例解析を行った。具体的な事例とその特徴は,次のとおりである。(1)農家が中心となり,市町村や農協が参加した地域農業振興組織(角田市農業振興公社),(2)地域営農システムの優良事例評価(阿東町,福栄村),(3)第3セクターの評価(東白川村,川場村,新治村,清里村),(4)NPO法人(熊本-緑化ボランティア,福岡-農と自然の研究所),(5)公私混合経営(オーガニック金ヶ崎),(6)海外事例調査(タイの一村一品運動,EUの農村開発政策,ブルガリアの公私混合経営)。 以上の事例調査を通じて得られた主要な知見は,次のとおりである。 (1)農家中心の地域農業戦略組織活動は,農家が中心となった様々な地域活性化活動を生み出すとともに,行政,農協職員の意識や能力の向上という点でも大きな効果を生み出すことができる。 (2)中山間地域活性化組織である,公社,第3セクター,NPO,民間企業にはそれぞれ一長一短がある。第3セクターの成功には公共性と利益獲得動機の調整が必要であることを明らかにした。 (3)タイにおける一村一品運動の多様性を企業形態,経営形態,事業規模・成長視点から整理することによって良好に類型化することができることを,また一村一品運動の効果は経済的な効果ばかりでなく,社会的な効果,心理的な効果も大きいことを明らかにした。
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