2004 Fiscal Year Annual Research Report
農業者による野生生物共生システムの開発と農業農村環境政策についての総合的研究
Project/Area Number |
15380157
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
松木 洋一 日本獣医畜産大学, 応用生命科学部, 教授 (10102740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋平 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (20012023)
永松 美希 日本獣医畜産大学, 応用生命科学部, 講師 (80318568)
羽山 伸一 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 助教授 (80183565)
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Keywords | 自然共生農業 / 高自然価値 / 絶滅危惧種 / 直接支払い / 農業の多面的機能 / 農業農村環境政策 / 有機農業 / 環境サービス財 |
Research Abstract |
(1)絶滅種コウノトリの増殖と野生復帰化を進めている兵庫県豊岡市の「コウノトリの郷公園」を調査し、コウノトリが生息することが出来る農村整備のあり方を検討した。コウノトリが生息するためには地域の第二次自然生態系を復元していくことが不可欠であり、まさに農業がつくる「農業自然」を開発し管理していく新しいシステムの研究を行った。 (2)海外でのコウノトリの保護と農業農村環境政策の研究のためにEUのイギリス、オランダ諸国の調査をおこない、直接支払い政策の推移と現状を分析した。オランダではNature Management Farming「自然共生農業」をおこなう農業者と政府・自然保護団体との間で締結されているManagement Agreement「管理協定」システムとその実態を分析し、特に地域全体で自然共生農業を取り組むために農業者自然保護協同組合を結成する新しい動向に注目して個別事例の調査を行った。 (3)自然共生農場の形態の一つとしてイギリスの有機畜産農場を調査し、その牧草地・飼料畑における野生生物の保護システムと直接支払い補助金の経営収入における意義を分析評価した。 (4)長野県上伊那郡飯島町がすすめている「二つのアルプスと1000ヘクタール自然共生農場づくり」と連携した研究をすすめた。とくに地域の「農業自然」の担い手を育成するために「アグリネイチャースチュワード(農業自然の番人)」資格を授与するアグリネイチャー・ビジネススクールの開校に参画し、その講師を担当した。 (5)数年来全国的に行われている水田の生き物調査と都市農業の生き物調査を対象として調査をおこない、農業者と消費者市民による新たな産直システムの動向に着目した。
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Research Products
(2 results)