2003 Fiscal Year Annual Research Report
畑作物残渣等地域原料を活用したリサイクル乳酸発酵飼料の開発及び製造システムの研究
Project/Area Number |
15380182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
豊川 好司 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80003432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 光晴 宮城県農業短期大学, 畜産科, 教授 (40151386)
内田 宏 宮城県農業短期大学, 畜産科, 教授 (30070220)
武田 潔 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (60250594)
高橋 敏能 山形大学, 農学部, 教授 (70113959)
井上 達志 宮城県農業短期大学, 畜産科, 講師 (20264351)
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Keywords | 畑作物残さ飼料 / ナガイモサイレージ / ダダチャ豆茎葉サイレージ / 食品残さ飼料 / 乳酸発酵飼料 |
Research Abstract |
○ナガイモ生産量が日本1の青森県では1年間の残さ産出量は4千万トンを越えている。しかしナガイモの飼料栄養価値に関する報告は寡聞で明らかでないことから、通年利用のためにサイレージ化、及び消化試験によって栄養価値を明らかにした。ヘイキューブ添加、また乳酸菌添加が乳酸発酵を高め良質サイレージを調製できた。乾物当たりTDNは86.7%、DCP6.2%であった。 ○山形県の園芸特産物ダダチャ豆茎葉のサイレージ化と飼料栄養価値を明らかにした。単味では乳酸発酵が不十分で品質に問題があった。乾物当たりTDNは61.6%、DCPは13.1%であった。また、緑茶殻6:米糠4(現物)の混合サイレージは良質サイレージが調整され、乾物当たりTDNは69.4%、DCPは18.1%であった。 ○食品残さのリサイクルを図って、市販リサイクル乾燥及び発酵飼料を市販配合飼料と混合して肥育後期LWD去勢豚に与え、増体、枝肉歩留、及び含有塩分の影響を調べた。枝肉成績に差はなく、軟脂もなかったが、蓄積脂肪酸にやや差異があった。また肉の遊離アミノ酸に差はなく、血中電解質濃度、生化学成績、血液浸透圧は正常範囲であった。 ○東北地方の1人当たり食品使用量は1.28トンあり、そのロス率は5.2%であることが分かった。東北地方の食品ロス率は全国平均よりも0.4%多く、これは食べ残し(調理加工)よりは廃棄、即ち穀類や、果実類、野菜類等の残さが多いためであった。このように東北地方は食品残さの飼料化の条件が他地方よりも恵まれている。養豚経営における食品残さ利用経営の調査を行ったが、大阪府のパン類を主とした給与経営、山形県天童市の乾燥方式による食品残さ給与経営、、及び横浜市の発酵方式による食品残さ経営等を分析し考察すると、東北地方では食品残さの飼料化は乳酸発酵が有利であり、実現性が高いと判断された。
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