2005 Fiscal Year Annual Research Report
飼料イネホールクロップのサイレージ調製加工ならびに給与技術に関する研究
Project/Area Number |
15380185
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
後藤 正和 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20144230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅田 修一 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90233999)
高橋 敏能 山形大学, 農学部, 教授 (70113959)
森尾 吉成 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90273490)
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Keywords | 飼料イネ / 付着乳酸菌事前発酵液 / アミノ酸発酵副産液 / サイレージ発酵品質 / 未消化籾排泄率 / 消化率 |
Research Abstract |
アミノ酸発酵副産液は、アミノ酸を微生物発酵によって生産する過程で副生されるもので、日本標準飼料成分表にも記載されている副産物飼料である。本年度では、アミノ酸発酵副産液のひとつであるグルタミン酸発酵副産液が飼料イネサイレージ(イネWCS)の発酵品質、ならびに未消化籾排泄率、茎葉部、穀実部、ホールクロップ消化率改善効果を明らかにした。 すなわち、飼料イネ専用品種のロールベールサイレージ調製でも、ボトルサイロやコンテナサイロと同様に、乳酸含量が高く酢酸とラク酸含量が少ない良好な発酵が促進され、イネWCSの粗タンパク質含量にも著しい改善が認められた。また、グルタミン酸発酵副産液を添加したイネWCSでは、副産液が籾内部の穀実に達してルーメン微生物分解が促進され、葉身表面でもクチクラやスベリンが膨軟化されて微生物分解が著しいことが観察された。一方、無添加(対照区)サイレージでは、サイレージ調製中の穀実表面の変化も少なく、穀実、籾、葉身の微生物分解もグルタミン酸発酵副産液添加サイレージよりも著しく劣った。その結果、イネWCSの穀実、茎部、葉身部、籾のin situ乾物消化率は、グルタミン酸発酵副産液添加によって著しく改善され、「葉鞘+茎部」の乾物消化率で10%ユニット、籾、穀実、葉身部でそれぞれ7%ユニットの向上が認められた。肉牛繁殖牛による未消化籾排泄率は無添加(対照区)イネWCS26.2%、グルタミン酸発酵副産液添加サイレージ14.5%に、泌乳牛の場合でもそれぞれ8.1%、3.6%と半減できることが認められた。従って、イネWCSを混合した飼料全体の乾物消化率ならびに中性デタージェント繊維消化率は、定量給与と自由給与を問わず、グルタミン酸発酵副産液によって有意に改善された。これは、in situ消化率に示されるように、イネWCSの消化率の向上を反映した結果であった。
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Research Products
(8 results)