2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト個体におけるインフルエンザウイルスの変異を観察する
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15390193
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
加瀬 哲男 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (10175276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 佐依子 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 研究員 (40321939)
宮川 広実 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (10346207)
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Keywords | インフルエンザ / インフルエンザウイルス / 再感染 / 抗原性 / Sub-population / クローニング / 抗体圧力 |
Research Abstract |
1.抗原性が類似したインフルエンザウイルスに再感染する時のウイルスと宿主側の条件 インフルエンザA型、B型とも抗原性の変異の少ないウイルスが流行している4インフルエンザシーズンにおいて、1000症例以上からインフルエンザウイルスを分離した。その中で同一血清型のインフルエンザウイルスに再感染した17症例をみつけた。同一患者から分離された2つのインフルエンザウイルスのHA1遺伝子を比較したところ、比較的よく似ていたが、まったく同一の配列は示すものはなかった。対血清が得られた14人のうち13人では、抗体上昇がみられなかった。これらのことは、抗原性が類似したインフルエンザウイルスの再感染は、頻度は多くないが起こりえること、そして、そのような再感染が起こるにはウイルスの抗原性の変異というよりはむしろ免疫反応が弱いということが重要であると推察した。 2.経日的にウイルス分離できた患者症例における分離ウイルスのsub-populationの変化 2001/02インフルエンザシーズン、4人の患者から経日的にAH3型インフルエンザウイルスを分離した。各ウイルスのHA1部分についてRT-PCRを行い、そのPCR産物をクローニングし、塩基配列を決定し、インフルエンザウイルスのsub-populationの変化をみようとした。しかしながら、これらの4症例ではsub-populationの変化は観察されなかった。この理由としては4症例全てが1歳未満であり抗体圧力が小さいためと思われた。また、ウイルス分離によってウイルスが選択的に増殖した可能性がある。しかし、ウイルス分離用検体から直接PCR産物を得ることはできなかった。そこで2002/03および2003/04シーズンに経日的にAH3型インフルエンザウイルスが分離できた5症例(各6、4、4、2、4歳)について同様の解析を開始した。
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Research Products
(5 results)