2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本人における循環器疾患の発症要因に関する大規模コホート研究
Project/Area Number |
15390209
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Research Institution | JICHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石川 鎮清 自治医科大学, 医学部, 講師 (70306140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40204391)
長嶺 伸彦 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20275689)
黒木 茂広 自治医科大学, 医学部, 助教授 (80245042)
苅尾 七臣 自治医科大学, 医学部, 教授 (60285773)
島田 和幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (90145128)
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Keywords | 高血圧 / 脳卒中 / 脳卒中病型分類 / 前向き研究 / コホート研究 / 発症要因 / 日本人 / 一般住民 |
Research Abstract |
【目的】脳卒中は日本人においては未だに死亡や障害を引き起こす最も大きい健康問題のひとつである。高血圧と脳卒中との関連は指摘されているが、近年正常血圧からのリスクの上昇が示唆されている。今回は、収縮期血圧での血圧分類によってリスクの上昇の程度を検討した。 【方法】JMSコホート研究は12地区で共同で行っているコホート研究で、ベースラインデータは1992年から1995年で収集した。そのうち、追跡調査に同意があり、アンケート調査で血圧の既往歴の項目に回答があり、血圧が測定されている男女11,035人(男性4,281人、女性6,754人)について検討した。収縮期血圧による血圧分類を第1分類(<120mmHg)、第2分類(120-129mmHg)、第3分類(130-139mmHg)、第4分類(140-160mmHg)、第5分類(160-180mmHg)、第6分類(≧180mmHg)とした。脳卒中の発症の確認は毎年各対象者もしくは家族に対して脳卒中発症の有無を確認し、24時間以上持続する神経学的欠損の存在で発症と定義した。発症の追跡は2002年12月末日まで確認した。 【結果】ベースライン時の平均年齢は男性55.0歳、女性55.2歳であった。平均追跡期間は9.0年で、追跡率は99.1%であった。追跡期間中の新規脳卒中の発症は、男性で206例、女性で192例であった。Cox比例ハザードモデルを用いて脳卒中の発祥について年齢、BMI、喫煙、飲酒で調整したところ、収縮期血圧の第1群を基準として、男性では、第2群で1.04、第3群で0.79、第4群で1.10、第5群で1.08、第6群で1.61で、女性ではそれぞれ0.96、0.85、0.97、1.25、1.04であったが、いずれも有意差はなかった。 【結論】収縮期血圧による血圧分類では120mmHgを基準として各群との比較を行ったが、男女とも有意な脳卒中のリスクの上昇は見られなかった。今後さらに脳卒中の発症追跡を延長して検討する必要がある。
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Research Products
(3 results)