2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖因子徐放性生体内吸収材料による胸腔内充填組織誘導の研究
Project/Area Number |
15390418
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
横見瀬 裕保 香川大学, 医学部, 教授 (80231728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 卓 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (20314932)
山本 恭通 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50314927)
黄 政龍 香川大学, 医学部, 助教授 (10271511)
田端 泰彦 京都大学, 再生医学研究所, 教授 (50211371)
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Keywords | 全摘後症候群 / 治療 / ポリ乳酸 / カプロラクトン / 組織再生 / FGF徐放化 |
Research Abstract |
材料の作成:直径約100μmのポリ乳酸(PLA)ビーズを作成した。このPLAビーズにFGFを含浸させ徐放化した。ついでPLAとカプロラクトンの共重合体のスポンジ状立方体(PLA-カプロラクトン共重合体キューブ)を作成した。 移植実験:日本白色家兎左肺を全摘し全摘モデルを作成した。実験群1は全摘モデルにPLA-カプロラクトン共重合体キューブを移植後を生理食塩水で混和したPLAビーズを撒布した。それぞれの群で1,2,3,6ヶ月後にCT撮影後に犠牲死し肉眼所見、組織学的所見を検討した。 結果:全摘モデルではCT所見、肉眼所見ともに術後時間経過と共に心臓を含む縦隔が左側へ偏位し、いわゆる全摘後症候群を呈した。実験群ではその縦隔偏位は軽度であった。組織学検討では、全摘群では胸腔は全摘後症候群のため縦隔胸膜が骨性胸壁胸膜と癒着し炎症性に肥厚していた。実験群1では胸腔は保たれており縦隔胸膜が肉芽組織により力学的強度を増していることがわかった。6ヶ月でもPLA-カプロラクトン共重合体キューブは吸収されず、スポンジ状の空隙に肉芽組織の侵入を認めた。対側肺の気腫化は全摘群に比べ軽度であった。 結論:PLA-カプロラクトン共重合体キューブとPLAビーズが移植局面でFGF徐放により肉芽形成を促進し縦隔の力学的強度を増した。これによりいわゆる全摘後症候群の予防が可能なことを示した。
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