2004 Fiscal Year Annual Research Report
繰返す胎児の低酸素症が生後長期間の心機能障害の誘因となる可能性に関する実験的研究
Project/Area Number |
15390500
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡村 州博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90124560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 準一 東北大学, 病院・講師 (60280880)
木村 芳孝 東北大学, 先進医工学研究機構, 教授 (40261622)
安井 友春 東北大学, 病院・助手 (30302087)
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Keywords | 羊胎仔胎児胎盤循環栓 / 子宮内ストレス / 早期成熟モデル / 胎児胎盤末梢血管系 / Myograph |
Research Abstract |
ストレスに対する胎児の早期成熟に伴う各種の機能異常、特に末梢血管の異常が生後長期間の心血管疾患の発生率に重大な影響を与えていると考えられている。生後長期間の心機能を評価するために、心筋自信の評価とともに、それを栄養する血管、さらに血液を受けるべき末梢血管の評価が是非とも必要である。本研究の目的は、胎児胎盤循環不全が胎児の心血管系、およびその調節系としての脳神経系そのものに対してどの様な影響を与えるのかを検証すると同時に、その末梢血管系に対しどの様な影響を与えるかを調べることにある。低酸素血症のモデルとして頻回の臍帯圧迫による胎児仮死モデルを製作した。また、コルチコステロイド投与と頻回臍帯圧迫を組み合わせて電気的心臓の成熟過程を調べた。手術のみで、コルチコステロイド投与ならびに頻回臍帯圧迫を受けなかったコントロール群(C群)とコルチコステロイド投与のみで頻回臍帯圧迫胎齢を受けなかったコルチコステロイド投与群(S群)の両群では胎齢120日までに胎児心電図にT波は確認されず、胎仔心臓の電気的成熟は確認できなかった。これに対し、コルチコステロイド投与ならびに頻回臍帯圧迫を受けた対象群(SH群)では120日までに胎児心電図全例T波が確認された。このことは、低酸素状態とステロイドが胎児の電気的成熟を早期化したことを表すと考えられた。また、末梢血管機能の検査の予備実験として胎盤胎仔側血管の機能的成熟過程を胎齢75日目と胎齢135日目で調べ比較した。胎盤血管の成熟による変化の検討では、ET-1の反応週齢による低下が見られた。この結果の一部は、第23回日本周産期・新生児医学会周産期シンポジウムに於いて発表した。
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Research Products
(1 results)