2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体硬組織結晶の発現機構と成長に関する三次元的超微構造の解明
Project/Area Number |
15390548
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
脇田 稔 北海道大学, 大学院歯学研究科, 教授 (40018916)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 恒之 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (80200822)
土門 卓文 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (50217618)
高橋 茂 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助手 (70241338)
柴山 環樹 北海道大学, エネルギー変換マテリアル研究センター, 助教授 (10241564)
|
Keywords | 硬組織 / 結晶成長 / 電子顕微鏡 / 三次元構造 / 発生 |
Research Abstract |
当初目的とした凍結超ミクロトーム法は、研究最終年度に至るまで、本研究の目的に合致する機器を使用することができなかったので、メタアクリル樹脂包埋法によって観察試料の作成をおこなった。 前年までの概要報告にあるとおり、本研究では、揮発性の高い樹脂モノマーを重合するために、多くの工夫を発見した。一つは、試料ビンを密封重合容器として利用する方法である。これにより、重合前ならびに重合期間中のモノマーの揮発を最小限に押さえることができた。この時、試料が最終的に重合した樹脂ブロックの中央に来るよう、予め容器の中で最終量の半量の樹脂を重合させておき、その上に資料を載せ、残りの半量を重合させるという2段階の重合操作を行うことを工夫した。ただし、この方法によるとその後の試料作成操作において、試料が比較的大きな樹脂ブロックの中にあるので、切り出しまで時間がかかり、またアクリルブロックはノコギリ等で切り出すことは簡単であるが、切り出し作業の途中で試料の方向性を失わないよう恒に確認しつつ作業することが必要であることがわかった。この確認作業は昨年度まではブロックの方向を示す特定の形態を与え、その形を保存しながら整形咲いていたが、今年度は、この方法に整形途中でブロック側面を研磨して透明とし、何度も内部の試料の方向を確認しつつ背軽作業を行った。この方法は従来よりも煩雑で時間がかかるが、精密な試料の方向性を維持する方法としては優れていると考えた。さらに準超薄切片作成時に行う試料の方向の最終確認が短時間で済み、結果として超薄切までの時間は、一個の試料だけを考えればほぼ同じであった。 アクリル樹脂超薄切片を、脱包埋するために超薄切片をスライドグラス上に貼りつけるための適当な方法は最後まで解決できなかった。当初エポキシ樹脂を薄く塗り、その上に超薄切片を載せ、エポキシ樹脂重合完了後モノマーで超薄切片の脱包埋を行うことを試みたが、エポキシ樹脂の膨化を止める方法が見つからなかった。 全体として、当初の研究遂行に当たり、上記のような想定外の問題克服に時間がかかり過ぎ、本実験まで到達できなかった。しかしながら、今回の4年間にわたる研究の結果、上記のように本来の目的を達成することは種々の理由によりできなかったが、分担研究者は本研究を分担するとともに分担者個々の本来の研究を実施した結果、本年度も裏面に示すように多くの優れた研究成果を挙げることができた。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
-
[Book] 口腔組織・発生学2005
Author(s)
脇田 稔, 他3名
Total Pages
409
Publisher
医歯薬出版株式会社
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より