2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390602
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
中村 正明 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (50067055)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 昭二 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (20067185)
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20228430)
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30050058)
田仲 持郎 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40171764)
|
Keywords | 軟質裏装材 / 可塑性フリー / in vitro生体適合性試験 / 溶出試験 / ゴム弾性 |
Research Abstract |
1.軟質裏装材の分子設計,合成および動性測定 ポリメタクリル酸エチル(PEMA)粉末と液成分とを混和させる現在の一般的な手法で軟質裏装材を調製することを前提にして,液成分としての候補ビニルエステル(VE)を検討した結果,オクタン酸ビニル(VO)とアジピン酸ジビニル(DVA)が物理化学的に好ましいことが明らかとなった.先ず,操作性に大きな影響を与える見かけ硬化(膨潤溶解)速度が紛液比によりどのような影響を与えるかを調べた.その結果,紛液比と見かけ硬化速度との間には比例関係を存在し,粉液比1.0〜2.0の範囲で市販粘膜調整材と同様の操作で軟性樹脂組成物が得られることが分かった.候補VEを用いて現在市販されている軟質裏装材と同様のゴム弾性を示すPEMA/VE組成の探索を行った.ゴム弾性の評価をショア硬さ測定することによって行った結果,代表的な市販軟性裏装材であるティッシュ・コンディショナー(松風,標準粉液比1.2)と同等のゴム弾性を示す粉液比はPEMA/VO=1.27,PEMA/DVA=1.44であることが明らかとなった.更に,一ヵ月間に亘る水中浸漬においても,そのショア硬さが殆ど変化しないことがわかった.今後は可塑性の発現メカニズムの解明のために,分光光学的解析と機械的物性変化の追跡とを同時に行い可塑性のメカニズムの解明を試みる. 2.軟質裏装材のin vitro生体適合性試験 in vitro生物学的安全性試験ではVOは市販品と同様に弱い細胞毒性にとどまった.さらに炎症性サイトカインmRNAならびに蛋白発現定量についても,VOで市販品と同様に低い値を示した. 3.溶出試験 VOとDVAを用いた試作軟質裏装材の蒸留水における溶出試験を行ったところ,全調査期間においてDVAがVOの溶出量を上回った.
|
Research Products
(5 results)