2004 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面領域における炎症・発痛関連遺伝子の同定-DNAアレイを用いて-
Project/Area Number |
15390628
|
Research Institution | Matsutnoto Dental University |
Principal Investigator |
金銅 英二 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (50273636)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松橋 瞳 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (20367519)
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 教授 (60160115)
|
Keywords | 炎症 / 三叉神経説 / cDNAマイクロアレイ / 三叉神経脊髄路核 / カルモジュリンキナーゼII / TRPV4 / KCNK3 / プロラクチン |
Research Abstract |
前年度は顎顔面領域(ラット上口唇)に起炎症物質CFA(Complete Freunt's Adjuvant)を注入した炎症モデル動物での三叉神経節細胞内での遺伝子動態を解析した。遺伝子発現の変動が明らかとなった500種以上の遺伝子の内特にCaMKII(カルモジュリンキナーゼII)やTRPV4(カプサイシン受容体の一種で炎症・浮腫に関与している可能性が示唆)、KCNK3(K^+チャンネルで疼痛抑制に関与している可能性が示唆)、プロラクチン(性ホルモンと関連し疼痛に関与が示唆)などの遺伝子に着目しin situハイブリダイゼーションや免疫組織化学を行い組織学的な解析を展開した。In situハイブリダイゼーションでは細胞の核が染色される反応が出ており、現在この原因究明と解消に着手している。また、時間軸を重視した炎症における経時的変化を明らかにするためにリアルタイムPCR法による解析にも着手する準備を開始した。さらに今年度は抜歯や歯内療法などの歯科治療あるいは外傷や腫瘍など臨床での遭遇する神経損傷時の三叉神経系での遺伝子動態を明らかにする目的で下歯槽神経損傷モデル動物を作成し、疼痛逃避行動などにて痛覚過敏や知覚異常(Hyperalgesiaやalldynia)など惹起している動物を選別し、これら動物(ラット)の三叉神経節細胞、三叉神経脊髄路核からそれぞれtotalRNAを抽出してcDNAマイクロアレイに供した。現在、20500種に及ぶ既知の遺伝子について損傷側と対側との比較、神経損傷と神経非損傷との比較など解析を推進中である。今後、マイクロアレイの解析が完了次第、炎症と損傷における相違を明らかにしたい。
|