2004 Fiscal Year Annual Research Report
インド農村地域における環境保全・改善の技術的可能性
Project/Area Number |
15404006
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
小島 紀徳 成蹊大学, 工学部, 教授 (10150286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 征雄 筑波大学, 農林工学系, 教授 (70015808)
尾崎 益雄 前橋工科大学, 工学部, 教授 (00113283)
加藤 茂 成蹊大学, 工学部, 助手 (90147489)
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Keywords | インド / 乾燥地 / 植林 / バイオガス / ソーラーエネルギー / 衛生 / 肥料 / 荒漠化 |
Research Abstract |
平成16年の研究概要: 本研究の目的は、インド人口の70%以上が暮らす農村地域においてエネルギー源の確保を行いながらも、植生の破壊あるいは砂漠化などの様々な環境問題を防ぐための技術的方策を探ることにある。現在までに、いくつかの実行計画が立案・実施されてきたが、実効が上がったとはいえないと言うのが実情である。本年度はモデル農村開発のための統合村落計画、資源管理など、農村開発上の最重要事項として、次の3課題について実施した。 (1)土壌断面のマッピングと分析: 農業・農園の従来の施業法は、過度の肥料使用、および不適切な潅漑技術であった。改善するための長期開発計画を策定するには、問題が山積している。塩害問題と同様に土壌の酸性度の上昇も大きな問題となってきている。土壌断面とそのマッピングは、調査村の周域で実施した。大規模マッピングGMSシステム構築には、衛星データを入手・活用した。本課題の狙いは、農業従事者からの低農産物生産性土壌、需要と供給経済学等に関する事前情報を基に、科学的な農業技術を利用することを農業従事者に普及・奨励することである。これら問題群の解決は農産物生産の不均衡を排除し、市場を安定させることになる。 (2)1KW太陽光発電システムの設置: 過度の電力供給不足は、労働資質、農業習慣、環境および一般的な生活評価にも影響する。本研究による太陽光発電システムの設置は、極めて貴重で意義がある。設置システムは、夕方から夜の3-4時間の電気をまかなうことができる。システムは独立設置型であり、通常の電力供給系統に接続することでより長期間の稼動ができる。本システムの試験と各種実験は、すでに開始し好結果を得てきている。環境問題と人々の健康危惧の主因である村落の石油ランプをすべて取り替えることが期待できる。また、地域住民にはLED照明の使用も奨励されている。LED照明装置も展示と実演が行われ、地域への普及が期待される。 (3)農民への環境教育/その認識: 環境教育で最も難しいのは、伝統的な考えに対して新しい考え方を教育・普及すること。一部の裕福で経済的に関心の高い人たちからの反対は強く、社会的な抵抗は非常に高い。経済発展は、今までの考え方を大きく変える方向にある。正しい理解を増幅・普及することは農村にも必要で、視聴覚機材を活用した教育啓蒙を進めている。
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Research Products
(4 results)