2005 Fiscal Year Annual Research Report
耐故障性を考慮した適応ルーティングネットワークに関する研究
Project/Area Number |
15500033
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
吉永 努 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (60210738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABDERAZEK Ben A. 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (60345428)
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Keywords | 相互結合網 / 耐故障性 / 適応ルーティング / ネットワーク再構成 / ルータ / ルーティングアルゴリズム / メッセージ交換 / k-ary n-cube |
Research Abstract |
17年度は、我々が提案したk-ary n-cubeネットワーク用の耐故障・適応ルーティングアルゴリズムDetour-UDを用いて動的ネットワーク再構成プロトコルを提案し、シミュレーションによってその有効性を評価した。また、故障状態など実行時の情報を利用して、ネットワーク自体が通信性能をチューニングする機能を提案した。 1.動的ネットワーク再構成プロトコルの提案 並列分散処理計算機ネットワークを構成する一部のハードウェア構成要素(ノードや通信チャネル)が動的に故障した場合、システムがそれを検知してネットワークから故障部位を隔離し、正常なネットワーク領域のみで計算を継続できるようにする。このとき、故障によってデッドロックを引き起こすような必要最小限のメッセージのみネットワークから排出し、それ以外のメッセージは通信処理を継続できるようにする。排出すべきメッセージは、ヘッダの存在するノードの入出力チャネル間の関係が、用いるデッドロック回復ルーティングアルゴリズム制約に違反するものに限定する。 2.シミュレータの作成・改良 設計した動的ネットワーク再構成プロトコルと、比較用に従来の静的ネットワーク再構成(故障検出と共にメッセージ通信を停止する方式)をサポートしたネットワークシミュレータをC++言語を用いて作成した。また、ネットワークの通信性能自動チューニング機構を評価できるようにシミュレータを改良した。 3.実験による評価 作成したシミュレータを用いて、提案する動的ネットワーク再構成プロトコルの有効性を確認した。実験により、提案方式はネットワーク再構成処理中、再構成後ともに高スループット、低レイテンシの通信性能を示すことがわかった。また、ネットワークの自動チューニング機構はネットワーク飽和を防止するとともに、動的故障や通信パターンと負荷に応じて良好な通信性能を維持することに有効であることを示した。
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