2003 Fiscal Year Annual Research Report
エコーガイド下のトレーサー注入による大脳基底核出力路の解析
Project/Area Number |
15500249
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
徳野 博信 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (40212071)
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Keywords | 超音波断層法 / 三次元再構築 / Substance P-saporin / Cytochrome oxidase / 大脳基底核 / 線条体 / 淡蒼球 / 視床下核 |
Research Abstract |
大脳基底核の線維連絡と機能を超音波断層法と各種トレーサー、ペプチド受容体特異的神経毒を用いて、実験的に研究を行い、報告してきた。本年度の主な研究成果は、以下の2点である。 (1)超音波断層法をさらに改良して、現在もっとも新しい装置である、三次元超音波断層装置を用いて、ニホンザルの脳研究における有効性を確認した。三次元超音波断層装置によるデジタル画像再構築によって、薬剤注入時の脳の様々な断面像を観察することができ、また、表面像の再構築により大脳皮質の、脳溝・脳回のパターンを生体で可視化することに成功し、大脳皮質へのアプローチがきわめて容易になることを確認した。今後のトレーサー、各種薬物の脳内注入や電気生理学実験におおいに有用である方法と考えられた。 (2)Substance P-saporinの線条体注入による線条体介在ニューロンの選択的破壊が、大脳基底核の出力核である淡蒼球内節のニューロン活動に影響を及ぼすことを、Cytochrome oxidaseによる組織化学によって明らかにした。介在細胞の破壊の結果、淡蒼球内節のCytochrome oxidaseは有意に低下し、一方視床下核の活性は変化しなかった。このことは線条体の直接出力路である線条体-淡蒼球内節投射(抑制性)の活動が上昇し、その結果淡蒼球内節ニューロンの自発活動が低下したものと考えられた。この変化はパーキンソンモデル動物での淡蒼球内節の活動性の変化とは逆のものであり、治療への応用も視野に入れて今後の研究を行なっていかなければならないものと考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tokuno H, Hatanaka N, Chiken S: "Fluorescence digital photomacrography"J.Neurosci.Methods. 125. 7-11 (2003)
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[Publications] Chiken S, Tokuno H: "Ablation of striatal interneurons influences activities of entopeduncular neurons"NeuroReport. 14. 675-678 (2003)
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[Publications] Hatanaka N, Tokuno H et al.: "Thalamocortical and intracortical connections of monkey cingulate motor ares"J.Comp.Neurol.. 462. 121-138 (2003)
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[Publications] Chiken S, Hatanaka N, Tokuno H: "Cytochrome oxidase activity in the monkey globus pallidus and subthalamic nucleus after ablation of striatal interneurons expressing substance P receptors"Neurosci.Lett.. 353. 103-106 (2003)
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[Publications] Tokuno H, Chiken S: "Three-dimnesional ultrasonography of monkey brain"Neurosci.Res.. in press. (2004)