2003 Fiscal Year Annual Research Report
メラニン凝集ホルモン受容体と摂食行動-脳における情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
15500266
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
斎藤 祐見子 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00215568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 勇樹 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50343463)
丸山 敬 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30211577)
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Keywords | Gタンパク質 / 受容体 / 摂食 / カルシウム / ペプチド |
Research Abstract |
メラニン凝集ホルモンMCHは摂食調節機構の下流に位置する特に重要な"食欲誘起ホルモン"と考えられている。その受容体はオーファンGタンパク質結合型受容体(GPCR)MCH_1R(SLC-_1)及びMCH_2Rであることが近年同定された。MCH_1Rはノックアウトマウスの解析により摂食に非常に重要な受容体であることが明らかになった。MCH_1Rの第3細胞膜貫通ドメインに存在するアルギニン_<123>がMCHとの結合に欠かせないアミノ酸であることは既に報告されている。一般的には第3細胞内ループにGタンパク質が結合することが知られているものの、他のどの部分のアミノ酸がMCH_1Rを介した情報伝達や膜移行に必要なのかは未だ不明である。そこでsite-directed mutagenesisにより受容体変異体を作成し、細胞にトランスフェクション後、種々の機能アッセイを行った。その結果、以下の点を世界に先駆けて明らかにした。 (1)MCH_1Rにおいて、グリコシレーションに関係する細胞外アスパラギン残基(N_<23>)が受容体の膜移行及びcalcium influxを経る情報伝達経路に特に重要な役割を果たす。 (2)MCH1R細胞内C末端における2つの塩基性アミノ酸(R319,K320)が情報伝達において特に重要な機能を果たし、この2つの塩基性アミノ酸は多くのGPCRにおいて保存されている。 (3)MCH1Rのinternalizationはリガンド添加直後から開始し、40分以内にピークに達する。その過程にはアレスチン2、プロテインキナーゼC(PKC)、ダイナミンが関与する。細胞内C末端に存在する3つのアミノ酸(T317,S325,T342)はPKCによるリン酸化部位と考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Saito, Y. et al.: "Role of asparagine-linked oligosaccharides in the function of the melanin-concentrating hormone(MCH)receptor 1."FEBS Letter. 533. 29-34 (2003)
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[Publications] Schlumberger, SE., Saito, Y.et al.: "Different structural requirement for melanin-concentrating hormone(MCH)interacting with rat MCH1R(SLC-1)and mouse B16 cell MCH-R."J.Recept.Signal Transduct.. 23. 69-81 (2003)
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[Publications] 斎藤祐見子, 丸山敬: "新しいホルモンを探す-オーファン受容体ストラテジーを用いて-"比較生理生化学雑誌. 20. 64-68 (2003)
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[Publications] Saito, Y. et al.: "Properties of the rat melanin concentrating hormone receptor 1 internalization"PEPTIDES. (印刷中). (2004)
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[Publications] 斎藤祐見子, 長崎弘, 丸山敬: "メラニン凝集ホルモン受容体の発見と機能"細胞工学. (印刷中). (2004)