2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト疾患モデルとしてのLPLトランスジェニックウサギの有用性に関する検討
Project/Area Number |
15500299
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
北嶋 修司 佐賀大学, 医学部, 助手 (70284643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 照男 佐賀大学, 副学長 (40037396)
范 江霖 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (60272192)
森本 正敏 佐賀大学, 医学部, 助教授 (90136482)
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Keywords | 遺伝子組換えウサギ / リポ蛋白リパーゼ / 耐糖能 / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
平成15年度実施計画にしたがい,以下の検討を行った。 1)LPL Tgウサギの繁殖 まず,LPL Tgウサギの雄と通常の日本白色種ウサギの雌とを交配し,実験に必要な数のウサギを準備した。生まれた仔ウサギから組織を一部採取しPCRで導入遺伝子の有無についてスクリーニングを行った。 2)普通食飼育下におけるLPL Tgウサギの耐糖能,インスリン抵抗性に関する検討 次に,LPL Tgウサギが準備でき次第,グルコース負荷試験,インスリン負荷試験ならびにグルコースクランプ試験を実施した。その結果,グルコース負荷試験において,グルコース静注後の血中からのグルコースの消失曲線に差は認められなかったが,グルコース負荷に対するインスリンの分泌と脂肪酸(FFA)には有意な差が認められた。すなわち,LPL Tgウサギでは血中インスリンとFFAは対照(通常のウサギ)よりも低い値で推移し,曲線下面積(AUC)で有意に低値を示した(p<0.05)。インスリン負荷試験では,インスリンの静注によりLPL Tgウサギの血中グルコース値は対照と比較して有意に低下し,AUCにおいても有意に低値を示した(p<0.05)。さらに,グルコースクランプ試験では,一定量のインスリンの持続注入に対してインスリン投与前のグルコース値を維持するのに必要なグルコース注入量(GIR)で,LPL Tgウサギは対照の1.5倍のGIRを示した。 以上の結果は,LPLの過剰発現によりウサギではインスリンの感受性が亢進していることを示唆している。
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