2003 Fiscal Year Annual Research Report
視覚と体性感覚の相互作用が把握運動中の脳機能局在に及ぼす影響について:PET研究
Project/Area Number |
15500411
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 博 大阪大学, 健康体育部, 教授 (60161535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑澤 順 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70198745)
奥 直彦 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (40346193)
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Keywords | 脳血流 / 把握運動 / 視覚入力 / PET / 体性感覚 |
Research Abstract |
本研究では視覚入力の把握・持ち上げ運動中の脳機能に及ぼす影響についてポジトロン断層撮像法(PET)を用いて局所脳血流量測定の観点から脳活動を明らかにすることを目的とした。特に、視覚誘導「有り」と「無し」での運動・感覚関連野の活動、視覚誘導「有り」での視覚関連野の活動について明らかにすることを狙いとした。15年度では、PET予備実験の準備、予備実験の実施、その結果に基づき本実験の準備と実施を計画した。予備実験では、簡易の実験用機器(頭部固定器具、傾斜机、視覚遮断用カーテン、把握物体、持ち上げ目標用ターゲット)を作成し、2名の被験者に対して、本実験で予定していた5条件下(開眼での物体把握持ち上げ、カーテン越しでの物体把握持ち上げ、閉眼での物体把握持ち上げ、開眼で物体の観察、閉眼での安静)での予備実験を8月に実施した。その結果、頭部固定器具の改良、傾斜机の角度の改良、持ち上げ目標用ターゲットの大きさの改良の必要性が判明したので、それらに改良を加えた。15年10月より10名の被験者について本実験を実施し、12月までに全データの収集を完了した。現在、それらのデータの解析および統計的処理を行っている。これまでの結果からは、視覚「無し」での場合は「有り」での場合に比べて、運動・感覚関連脳領域(運動野、感覚野、運動前野、補足運動野、下頭頂葉ブロードマンの40野)での活動が明らかに強く、活動範囲も広いことが明らかとなった。また、視覚誘導による視覚関連の脳賦活領域としては、1次および2次の視覚野と後頭頂葉(フロードマンの7野)の活動が顕著であり、いわゆる背側の視覚処理経路が強く関わることが明らかとなった。これらの結果報告として16年3月20-21日に東京大学において実施される「第1回日仏合同運動制御国際シンポジウム」での発表が決定している。
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Research Products
(1 results)