2004 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓の骨格筋肥大に対する役割-骨格筋肥大機構の新たな展開-
Project/Area Number |
15500432
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 茂 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50092367)
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Keywords | 骨格筋肥大 / GFPラット / 肝幹細胞 / アルブミン / マイオゲニン / 筋細胞 / サテライト細胞 |
Research Abstract |
骨格筋肥大に伴うアルブミンの増加は肝細胞の由来であることが判明した。そこでこれまでの実験結果を確認するために、GFPラットを用い、GFPラットの肝細胞を被験ラットの尾静脈に注入し肥大した筋細胞への移動について検討した。その結果明らかにGFP由来の肝細胞が肥大筋細胞に融合してるのが観察され、これまでの実験結果を再確認することができた。従って、骨格筋肥大はサテライト細胞による既存筋細胞への融合だけでなく、血液を介した肝臓からの肝幹細胞が深く関与していることが判明した。そこで、筋肥大率とアルブミンの関係を観察した結果、筋肥大とアルブミン量とは密接な関係にあることが判明した。すなわち、肝幹細胞の骨格筋への流入の程度が骨格筋肥大に関与していることが示唆された。骨格筋組織で肝幹細胞がどのような機構で筋細胞(筋予定芽細胞)に変化していくのかを組織学的に検討した。肝幹細胞は、基本的にアルブミン合成能を有していることから、骨格筋組織た流入した時点ではアルブミンの抗体でよく染まるのが観察された。さらに、筋細胞へ分化する指標でマイオゲニンの抗体を用いて二重染色した結果、明らかにアルブミンとマイオゲニンの両方が染まる細胞が、筋組織の細胞間隙に多数観察することができた。従って、肝幹細胞は骨格筋組織融合前に、なんらかの刺激によって筋細胞に分化し、その後、筋細胞に融合するものと考えられる。また、培養実験の結果、肝幹細胞は筋培養液中で筋細胞に変化するのが観察された。
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