2004 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ傷害診断時における心理的要因からの新アプローチ-心理的サポート導入システムの開発を目指して-
Project/Area Number |
15500467
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
岩本 英明 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (90223429)
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Keywords | スポーツ障害 / 心理的サポート導入システム / STAI / MCT-II / DIPCA.3 / カウンセリング |
Research Abstract |
昨年同様にM整形外科病院スポーツ外来において、受診するスポーツ選手を対象に(中学生以上のスポーツ競技者で傷害を負った者)、STAI(State Trait Anxiety Inventory/状態・特性不安尺度)、DIPCA.3(心理的競技能力診断検査)、MCT-II型の心理検査を実施した。さらに、調査結果を基にして受傷者へのカウンセリングの準備を行った。対象者は、男子349名、女子207名、合計556名(平成16年12月現在)であった。対象者の特徴は、19歳以下(U19)の受診者が7割近くを占め、昨年度の傾向と同様であった。 STAIについて;年代別に状態不安、特性不安の結果を見ると、U19の患者がどちらも高い状態にあった。有意な差は見られなかったが、特性不安が特に高い状態であった。 MCT-II型について;MCT-II型についても、年代別に比較してみると、U19の群が活動性において低い傾向となった。また、U19における平均値の波形は、一般的にオーバートレーニング状態に近く、疲労や抑うつなどの得点が高い。また、若年者の受傷者は、抑うつや怒りが高くなるという報告もあり、昨年からの調査でもそのことが伺えた。 DIPCA.3について;DIPC.3Aの結果については、「自己コントロール能力、リラックス能力、集中力」が含まれる精神の安定・集中尺度について検討した。U19の受傷者において精神の安定さが低い傾向にあり、傷害との関係が深い要因と考えられる。ジュニア期の選手などにおいては、メンタルトレーニングなどの心理的競技能力を安定させるための、取り組みなども必要で改めて感じられた。 カウンセリングへの準備について;長期に渡る治療が必要だったり、手術を必要とする選手にとっては今後の生活やスポーツ現場への復帰が気がかりとなる。そのため、サンプルとなるようなケースを想定し、数名の受傷者へのインタビュー形式の質問などを行った。これらの資料などを参考に、本格的なカウンセリングの実施を行う。
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