2004 Fiscal Year Annual Research Report
体肢各筋の構造・機能の加齢変化とそれに基づく新たな高齢者向け筋トレ法の提案
Project/Area Number |
15500497
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 広徳 広島工業大学, 工学部, 助教授 (30235387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福場 良之 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (00165309)
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Keywords | 高齢者 / 筋力トレーニング / 筋横断面積 |
Research Abstract |
昨年度収集した筋横断面積データに基づいて考案した筋力トレーニングプログラムを高齢者に対して8ヶ月間実施し,そのトレーニング効果について検討した。評価のための測定は,トレーニングを実施する前の4月と実施後の12月に実施した。2回とも測定に参加した者は20名であった。測定項目は,身長,体重,体脂肪率,ウエスト,ヒップ,超音波法による踵骨強度,膝関節伸展筋力,大腿部横断面積(皮下脂肪,筋,骨),および歩行特性(歩行スピード,歩幅,ピッチ)であった。 体重(p=0.007)と体脂肪率(p=0.023)にトレーニングによる有意な減少がみられた。膝関節伸展筋横断面積と膝関節伸展筋力は統計的に有意ではなかったが,増加傾向を示した。ウエストヒップ比にも減少傾向がみられた。その他の測定項目は,ほとんど変化を示さなかった。 体重が減少し,筋力に向上がみられたということは,自らの体重を支える下肢への負担が相当軽減されたものと思われる。今回は下肢の筋力増強を目指した運動プログラムを主として実施したわけであるが,体脂肪の減少にも貢献していたことは,非常に興味深いことであった。前述のように体重が減り,筋力が向上したことで日常の身体活動量が増加していたのかもしれない。今後この点については明らかにする必要があると思われる。 今回実施したトレーニングは,目標通り,筋力を向上させ,身体組成の改善にも貢献することが示されたことから,高齢者の健康寿命を延長させるための適正な運動プログラムといえるかもしれない。今後は個々人のデータを詳細に検討し,最終的には一人一人に適した運動プログラムの提供を目指したいと考えている。
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