2004 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌攪乱化学物質によるマウス骨格形成の阻害メカニズムの解明
Project/Area Number |
15510045
|
Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
萩原 啓実 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (90189465)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 陽子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50203021)
|
Keywords | 内分泌撹乱化学物質 / トリブチルスズ / アルキルフェノール / 植物ポリフェノール / 骨代謝 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 阻害メカニズム |
Research Abstract |
環境ホルモンに指定されている化学物質あるいはその候補物質について妊娠マウスに投与した時の胎児の骨格形成への影響を調べ、そのメカニズムを培養骨芽細胞、培養破骨細胞を用いて検討した。 (1)船底塗料として使用され巻貝などにインポセックスを誘導する化学物質であるトリブチルスズの骨代謝への影響について調べた。妊娠マウスに投与すると胎児の頭頂骨の形成が遅れることが判明した。培養細胞を用いて調べたところ破骨細胞の形成及び骨芽細胞の分化を強く抑制することが確認された。これらの作用メカニズムは、トリブチルスズの既存の作用点であるアロマターゼ活性の阻害とは関係ないことが明らかになった。 (2)界面活性剤として使用されているアルキルフェノールのうちノニルフェノールとオクチルフェノールについて骨代謝への影響を調べた。面白いことに、骨芽細胞へは増殖・分化とも何の影響も示さなかったが破骨細胞の形成は強く抑制することが確認された。 (3)植物ポリフェノールの一種であり、タマネギなどに多く含まれているクエルセチンの骨代謝への効果について検討した。この物質は破骨細胞の形成を抑制した。また、骨芽細胞の増殖と分化をセルサイクルの停止因子であるp21タンパク質の発現を促進することで抑制することを見出した。
|