2004 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアセルロース/天然無機ナノコンポジットの創製とその構造解析
Project/Area Number |
15510101
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平井 諒子 京都大学, 化学研究所, 助手 (20156623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 文敬 京都大学, 化学研究所, 教授 (70124758)
辻 正樹 京都大学, 化学研究所, 助教授 (60172003)
呑海 信雄 県立新潟女子短期大学, 生活科学科, 教授 (90237181)
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Keywords | セルロース / イモゴライト / ナノコンポジット / 液晶 / TEM / SEM / 偏光顕微鏡 / X線回折 |
Research Abstract |
近年、環境・エネルギー問題の重要視から、環境に優しい材料の開発が注目されている。次世代の環境にやさしい新規なナノコンポジット材料を開発することを目的とし、ナノメートルスケールのセルロース構造体と天然無機ナノチューブであるイモゴライトとのナノコンポジットを創製し、その構造解析を行った。 本年度は下記のような結果を得た。 1.イモゴライトナノチューブ/セルロースミクロフィブリルの酢酸水溶液系を種々の重量比で混合し、その相挙動を調べた。イモゴライトの混合比が0.5以上の場合は、2-3相に相分離し、上層が光学的等方相で、下の2相が液晶相であった。イモゴライトの混合比が0.5以下の場合、ゲル化が生じ相分離せず、ある濃度以上で液晶を形成した。 2.イモゴライト/セルロースの混合比が0/10、5/5、6/4、7/3、8/2、9/1、10/0について、下層の液晶相の構造を偏光顕微鏡で観察した結果、イモゴライトおよびセルロースが単独の場合とは異なる液晶構造を示し、両者が相互作用して液晶構造を形成していることがわかった。 3.各液晶相を凍結乾燥して、SEMにより構造を観察した。ナノコンポジット化の状態を明らかにすることが出来た。 4.各液晶相からナノコンポジットフイルムを作製し、FT-IR、X線回折により構造解析した。 セルロースの結晶構造を崩さずにナノコンポジット化している事が明らかになった。 5.粘弾性測定の結果、混合比が0/10、5/5、6/4、7/3のナノコンポジットフイルムは、貯蔵弾性率が10-15GPaと高い値を示した。また、イモゴライト添加により、熱的性質が向上した。
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Research Products
(2 results)