2003 Fiscal Year Annual Research Report
鉄基合金超微粒子のイオン注入による創製とその磁性の評価に関する研究
Project/Area Number |
15510108
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Research Institution | Kurume Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 伸行 久留米工業大学, 工学部, 教授 (30318612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥山 保 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (40016176)
坂本 勲 産業技術総合研究所, つくば中央, 主任研究員
蓮山 寛機 久留米工業大学, 工学部, 教授 (00037962)
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Keywords | Fe-Co合金超微粒子 / スレータ・ポーリング曲線 / 極低温メスバウアー分光 / 超常磁性グラニュラー膜 / トンネル型巨大磁気抵抗効果 / 最大の磁気抵抗比 / Fe-Si合金超微粒子 |
Research Abstract |
イオン注入法による新たな超微粒子合金の創製技術の確立を目的とし、Fe-Co合金超微粒子の磁性、及びトンネル型巨大磁気抵抗(TMR)特性を調べた。さらにrfスパッタ法で作製したFe/Al_2O_3グラニュラー膜への高速イオンの照射効果を明らかにした。 1)Fe-Co合金超微粒子の磁気的特性;単結晶Al_2O_3基板へ加速エネルギー100keVにてFeイオンを、続いてCoイオンを連続注入し、bcc相のFe-Co合金がas-implaの状態で形成されることを見出した。またFeとCoの相対注入量を変えて作製した種々のCo濃度の合金をメスバアウー分光法により調べ、Fe原子の磁気モーメーントがポーリング・スレーター曲線に従って変化し、25at.%Co合金で最大値2.5μ_Bを持つことを超微粒子で初めて明らかにした。現在、Duisburg大学(独)応用物理研究所との共同研究により、液体He温度でのメスバウアー分光測定を行って合金超微粒子の磁気特性解明を進めている。 2)Fe-Co合金のTMR特性;注入量が1.5×10^<17>ions/cm^2で、Co濃度が47at.%であるFe-Co/Al_2O_3系に於いて、最高の磁気抵抗(MR)比12%(H_<ext>=11KG)が得られた.この値は、RFスパッタ法で作製されたものも含め、Fe、Co、FeCoグラニュラー系では最高のMR比を示しており、現在さらにその解析を進めている。 3)多種Fe/SiO_2ナノコンポジットの特性;SiO_2(石英及び水晶)基板への74keV Feイオン注入実験を行い、Al_2O_3基板とのクラスター形成過程を明らかにすると共に、それらのクラスターがFe-Si合金相であることを初めて明らかにした。 4)グラニュラー薄膜の特性;Arガスを用いるrfスパッタにより作製したFe/Al_2O_3グラニュラー薄膜への1〜2.5MeVのC及びGeイオン照射効果を調べた。その結果、原子空孔などの欠陥が、微粒子の成長を促進する効果のあることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Hayashi: "TMR effects of sputtered Fe-Al-O granular films after Irradiation By high energy ions."Nuclear Instruments and Method B. 206. 1066-1071 (2003)
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[Publications] N.Hayashi: "Formationf of nanosized Fe-Co alloys in a-Al_2O_3 Crystals by ion implantation"J.Applied Physics.. 94,No.4. 2597-2601 (2003)