2004 Fiscal Year Annual Research Report
鉄基合金超微粒子のイオン注入による創製とその磁性の評価に関する研究
Project/Area Number |
15510108
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Research Institution | Kurume Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 伸行 久留米工業大学, 工学部, 教授 (30318612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓮山 寛機 久留米工業大学, 工学部, 教授 (00037962)
坂本 勲 産業技術総合研究所, 主任研究員
鳥山 保 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (40016176)
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Keywords | Fe-Co合金超微粒子 / 極低温メスバウアー分光 / Fe-Cu準安定合金超微粒子 / 超常磁性緩和のブロッキング / 磁性金属グラニュラー膜 / トンネル型巨大磁気抵抗効果 |
Research Abstract |
イオン注入法による新たな超微粒子合金の創製技術の確立を目的とし、前年度に続きAl_2O_3やSiO_2等の絶縁酸化物中に於ける微粒子合金化の可能性について調べ、その分散状態やナノ構造を解析し、新たな微粒子物性を開拓する研究を行った。 1)α-Al_2O_3単結晶中のFe-Co系については合金化微粒子の形成を明らかにしてきた。この微粒子物性の解明には、内部磁場を始めとする超微細相互作用の温度特性測定が有力な研究手段となる。そこで、これらの微粒子試料についてDusiburg大学との共同研究により内部転換電子メスバウアー分光(CEMS)測定を行った。同大学は、世界でも有数な液体He温度で測定出来るCEMS装置を有しており、仔細な物性解析が可能である。現在、Fe-Co微粒子の分散量、粒径、合金濃度を変えた試料について、室温より4.2Kまでの温度範囲で得られたスペクトルの解析を進めている。合金微粒子の超常磁性緩和を完全にブロックした状態でのFe原子磁気モーメントのCo濃度依存性や、fcc・γ相の存在など新たな知見が得られつつある。 2)SiO_2基板材料へのイオン注入による鉄および鉄基合金微粒子形成の可能性について調べた。Al_2O_3と同一条件のグラニュラー膜を形成するため、74keVの入射エネルギーで^<57>Feの注入を行った。このFe微粒子についてCEMS、表層X線回折、振動試料型磁化測定等を用いた研究から、SiO_2では微粒子形成の効率がより高いこと(少ない注入量で大きな微粒子が形成される)、さらにその微粒子中ヘマトリックスのSi原子が混入してFe-Si合金が形成されることなど、SiO_2中における金属微粒子の形成について新たな知見が得られた。さらに、非混和系であるFe-Cuについても準安定合金の超微粒子形成されることを始めて明らかにした。
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Research Products
(4 results)