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2005 Fiscal Year Annual Research Report

時間論をてがかりとした道元の思想構造の総合的研究

Research Project

Project/Area Number 15520010
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

頼住 光子 (佐藤 光子)  お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (90212315)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高島 元洋  お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (90127770)
Keywords道元 / 日本仏教 / 禅 / 曹洞宗 / 時間論 / 悟り / 『正法眼蔵』 / 有時
Research Abstract

本年度は、道元の思想構造を、「時間論」という観点から総括的検討をおこない、その成果については、研究代表者である頼住が、NHK出版から「道元 自己・時間・世界はどのように成立するのか」(哲学のエッセンスシリーズ)を出版した。
本書においては、仏教思想の根本的概念である「無自性-空-縁起」ということを軸として、道元の、自己観、時間観、世界観が成り立っていることを説明し、さらに、それらを明らかにする際の、道元の表現を、「無自性-空-縁起」についてあらわすのではなく、「無自性-空-縁起」そのものをあらわすものとして、その構造を解明した。
時間論については、『正法眼蔵』「有時」巻の註釈を行いつつ、その全貌の解明につとめ、それが「今」という瞬間における、自己の主体的存在把持としてとらえられており、過去と未来もこの「今」の時にすべて収束すると考えられていることを明らかにした。
また、この「今」の時への収束という特異な時間論が、修行とさとりとの一体性を示す「修証一等」であり、この「一等」性は、道元の思想のすべてに相似形的に見られる概念であることを明らかにした。時間論の範囲でその「一等性」をいうなら、たとえば「因果同時」となる。原因と結果という、通常の時間観念では前後として捉えられるべき事象が、道元の特異な時間論においては、「今」の時に収斂するものとして、同等のものとなるのである。
さらに、本年は、道元の特異な時間論、世界観を日本思想史の中に位置づけるべく、神秘主義思想、日本思想史方法論の観点かちも道元思想について検討を行い、その成果の一部を論文発表のかたちで公開した。

  • Research Products

    (5 results)

All 2005

All Journal Article (4 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 河竹黙阿弥と演劇の近代化2005

    • Author(s)
      高島 元洋
    • Journal Title

      近代日本の成立

      Pages: 95-108

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 日本近代における神秘主義の一様態2005

    • Author(s)
      頼住 光子
    • Journal Title

      人文科学研究(お茶の水女子大学) 第1巻

      Pages: 15-27

  • [Journal Article] 神秘主義とは何か、中国における神秘主義、日本〜2005

    • Author(s)
      頼住 光子
    • Journal Title

      人間の文化と神秘主義

      Pages: 15-51,193-224

  • [Journal Article] 「思想史」とは何か2005

    • Author(s)
      高島 元洋
    • Journal Title

      比較日本学研究センター研究年報(お茶の水女子大学) 創刊号

      Pages: 63-90

  • [Book] 道元 自己・時間・世界はどのように成立するのか2005

    • Author(s)
      頼住 光子
    • Total Pages
      126
    • Publisher
      NHK出版
    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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