2004 Fiscal Year Annual Research Report
アイルランド語で表現された媒体を用いたアイルランド文化の総合的研究
Project/Area Number |
15520195
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
梨本 邦直 法政大学, 工学部, 教授 (30340748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春木 孝子 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (80228668)
谷川 冬二 梅花女子大学, 文化表現学部, 助教授 (50163621)
岡村 眞紀子 京都府立大学, 文学部, 教授 (80123488)
池田 寛子 広島市立大学, 国際学部, 専任講師 (90336917)
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Keywords | アイルランド語の哀歌 / ケルト復興 / イェイツ / フォークロア / 冠詞の二重構造 / ソネット / John Davies / 定名詞句 |
Research Abstract |
(1)前年度に引き続き、現代アイルランド女性詩人モーィラ・ヴァッカンツイーの哀歌についてその詩形式の現代における伝統の継承と発展の研究を進めた。本年度は特に、伝統の研究を掘り下げるために中世から近代の詩の精読。 (2)アイルランドのダブリンにあるアイルランド国立図書館で、ダグラス・ハイド翻訳による古い伝説Children of Lirなど、アイルランド語文献とその翻訳を手に入れ、精読した。現代アイルランド女性詩人ヌーラ・ニ・ゴーノルの作品の読解を進めた。 (3)W.B.イェイツが描いたアイルランドの姿について、M.アーノルドのケルト文学論と比較考察した。彼はアーノルド同様1798年にアイルランドで起きた武装蜂起の再現を惧れたが、同時に、アーノルドに論駁する形でアイルランドを主体にケルトを語る論理を創案して「ケルト復興」の途を開いた、と説くものだが、この裏付けのため、ダブリンのロイヤル・アイリッシュ・アカデミーその他で19世紀末アイルランドの出版物を調査した。 (4)イギリス、テューダ・ステュアート時代のアイルランド政策の歴史と、政策に関わった詩人について調査、研究する。また、アイルランド詩人を含め英語で書かれたソネットを研究。『ソネット選集』を出版。現在『続篇』の出版準備中である。 (5)アイルランド語の定名詞句における冠詞の二重構造に着目し、その歴史的変化を調べた上で、変化の理由を探った。古期アイルランド語で初めにくる冠詞の性質については、指示代名詞のproximityの特性を残していることを明らかにした。現代アイルランドではその特性が失われた。また、余剰な限定を避けるために初めに来る冠詞を省く傾向があるだけでなく、「名詞+冠詞+名詞」で定名詞句の型ができたのではないかと議論した。 (6)前年度に引き続き、アイルランド語の文法書の作成を推進した。
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Research Products
(5 results)