2004 Fiscal Year Annual Research Report
外国人学習支援者のカルチャー・ステレオタイプと異文化間トレランスに関する研究
Project/Area Number |
15520336
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
倉地 暁美 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00197922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浜 るい子 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (20122591)
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Keywords | カルチャー・ステレオタイプ / 多文化主義 / 教員養成 / 多文化理解能力 |
Research Abstract |
平成15年度までの3年にわたる科研において実施した質問紙調査で、カルチャー・ステレオタイプに対する気づきを持った日本語教師が、異文化接触の機会が多いにも関わらず、非常に少ないことが判明したが、カルチャー・ステレオタイプに対する危険性をしっかり認識し、学習者に対してステレオタイプを持って接することを回避しようと心がけている日本語教師とはいったいどのような背景をもっているか、エスノグラフィック・インタビューを通してライフヒストリーを聞き取った。その成果の一部は、2004年に異文化間教育学会大会で発表し、『広島平和科学』に投稿、査読審査中である。現在、学会で発表した以外のデータを整理・分析している段階である。 本研究のテーマである、教師のカルチャー・ステレオタイプの逓減、異文化間トレランスの向上、獲得の終局的な目的は、多文化共生時代における多文化理解・コミュニケーション能力を持った教師をいかに要請するかというより大きな教育課題につながるものである。そこで、筆者は、(1)日本での教師の実態調査を行い、(2)多文化理解・コミュニケーション能力を備えた教師はどのような背景や経験を持った教師であるのか研究調査を実施し、解明することによって、教員養成の糸口を模索するのみならず、(3)多文化主義に基づく多文化教育や異文化間教育の経験が豊富な欧米先進諸国において、教員の多文化理解・コミュニケーション能力の養成がどのように行われているのかを明らかにすべく、他大学あるいは海外より研究協力者を招き、アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリアにおける多文化主義及び多文化教育の現状及び問題点に関する専門的知識の提供を得つつ、(4)今後の教員養成のあり方をともに模索すべく、学術的な研究交流を深めてきた。
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Research Products
(4 results)