2004 Fiscal Year Annual Research Report
公共交通機関の整備と都市再生効果の相関に関する実証研究
Project/Area Number |
15530290
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
土居 靖範 立命館大学, 経営学部, 教授 (10124083)
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Keywords | 公共交通機関 / LRT(新型路面電車) / 中心市街活性化 / 都市再生 / タウン・マネジメント機関 / 乗合バス改革 / 高速道路の撤去 |
Research Abstract |
今年度の研究実績として、まず第1にJR富山港線の調査が挙げられる。西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)は2003年2月、富山港線と岡山県の吉備線を路面電車化(LRT化)する構想を明らかにした。導入を想定しているLRT(Light Rail Transit/新型路面電車)は従来の電車よりも軽量なため、線路補修費などのコスト低減が可能としている。この構想を積極的に受け入れる意向を表明した富山市はJR西日本と2003年5月から協議を開始し、沿線の自治会組織も支持した。2006年2月にはJR西日本から経営が切り離され、第3セクター富山ライトレール株式会社が経営をすることになる。 これまでは、もっぱら都市交通再生の主役と期待されてきた、LRTが、「赤字ローカル鉄道線」再生にも可能かが焦点となる。この方向が打ち出されたJR富山港線のLRT化の意義は極めて大きいといえる。そこで現地の聞き取り調査を2回実施し、富山港線のLRT化の経緯と事業計画を把握した。その上で第3セクター・富山ライトレールの課題として、市民参画のまちづくりを原点に計画・運営両面で再構築が必要であると指摘した。 第2は、韓国釜山とソウルの調査を2004年8月に5日間実施した。今回ソウルで日韓両国の交通研究所者が参集する国際セミナーがあり、ソウル市政開発研究院の配慮で清渓川復興計画とロード・プライシング徴収所の現地調査の機会を得た。韓国では、鉄道ルネッサンスといわれ、とりわけ高速鉄道が2004年4月に開通し、鉄道への関心が一般に高まってきた点を実感し、また世界発信したソウルのバス改革の理解を深めることができた。セミナーの開催報告等は、運輸調査局編刊の『運輸と経済』誌2004年11月号の55-61ページに「学会報告」として掲載されている。来年度は公共交通機関の整備と都市再生効果の相関に関する研究を深めて、まとめて行きたい。
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Research Products
(5 results)
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[Book] LRTが京都を救う2004
Author(s)
土居靖範, 近藤宏一, 榎田基明
Total Pages
100
Publisher
つむぎ出版
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より