2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530429
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
有馬 道久 香川大学, 教育学部, 教授 (10151185)
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Keywords | 教師 / 暗黙知 / 比喩 / 授業 / 学級経営 / 生徒指導 |
Research Abstract |
本年度は,教師の暗黙知の表出化について,教職生活における様々なトピック(授業・教師・子ども理解・学級経営・生徒指導)について作成された比喩が,それぞれの領域での悩み・問題などの解決状態によってどのように異なるのかについて検討した。対象は,小学校教員160名,中学校教員105名。その結果,小学校教員は,当初は,授業は「楽しい」,子ども理解は「簡単」というイメージが多い。学級経営については,「楽しい・簡単」というイメージが多く,「ものづくり」が少ない。生徒指導については「他人事・簡単」というイメージが多い。また、中学校教員では子ども理解は「簡単」というイメージが多い点のみが特徴であった。さらに,悩みを解決したか,未解決かによる違いが明らかになった。小学校教員で,授業の悩みを解決した人には授業を「共同作成の場」ととらえる人が多いのに対し,未解決の人には「未知の展開」が多い。また,教師という職業の悩みが未解決の人には教師を「演技者」ととらえる人が多いことがわかった。子ども理解の悩みを解決した人には子ども理解は「多面的」が多く,未解決の人には「教師の自己理解」が多い。そして,生徒指導の悩みを解決した人には「父性と母性のバランス」「臨機応変」が多いのに対し,未解決の人には「母性的」「熱意・根気」が多い。一方,中学校教員で授業の悩みを解決した人には「共同作成の場」が多く,未解決の人には「未知の展開」が多い。また,教師という職業の悩みを解決した人には「演出家」「学ぶ者」が多いのに対し,未解決の人には「緊張・束縛」が多い。子ども理解については解決した人に「複雑・奥が深い」が多い。学級経営については解決・未解決の人ともに特徴はみられなかった。そして,生徒指導の悩みを解決した人には生徒指導を「母性的」ととらえる人が多いのに対し,未解決の人には「勝負・戦い」ととらえる人が多いことがわかった。
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Research Products
(1 results)