2003 Fiscal Year Annual Research Report
「学校評議員」制度の機能確立のための地域・学校連携システムの開発
Project/Area Number |
15530488
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
菊池 龍三郎 茨城大学, 教育学部, 教授 (80007757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 恵吾 茨城大学, 教育学部, 助教授 (30312804)
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Keywords | 学校評議員 / 開かれた学校 / 地域と教育 / 特色ある学校 / 外部人材 / 地方教育行政 |
Research Abstract |
学校評議員制度は、学校外の地域の人々が学校運営に直接関わることで、地域と学校との連携を実質化させることを目的としている。この制度に関しては、日本では全く新しい試みであり、その本来の趣旨が活かされているのか、実態に即して検討していく必要がある。第一年目である本年度は、各県市町村教育委員会、公立小・中学校等との連携のもと、学校評議員制度の導入・確立に関する実態調査を行った。 まず長野県教育委員会、長野・松本・上田の各市教育委員会を訪問し、各校に配布した要項等の関係資料の収集や担当者からのヒアリング等によって、評議員の人選とその運営、外部評価、教職員の研修の実態等を明らかにするとともに、同制度運用上の問題点を検討した。そこでは、県が各市に同制度の運用にあり方を一任している点、そのために評議員の人数や報酬等、各市で設定された要項の内容は多様であり、それぞれが、置かれた状況に基づいて自律的に制度運営を行っている点が明らかとなった。また、教職経験者の担当者が市校長会との公聴を設定して要項等の設定した長野市教育委員会が、各校の主体的な制度導入が円滑に行われている事例として注目される。 一方、茨城県水戸市内小中学校における評議員選出の実態をアンケートを通じて調査・検討した。評議員選出の主体、人選基準の設定、評議員の性別・年齢・職業・経歴、評議員の選出理由等、そこに同制度の理念が如何に具体化されているのか、現状とその課題の検討を通じて、学校の現状に肯定的な人物を評議員とする傾向が認められ、同制度が「学校の応援団」に陥る危険性を指摘した。
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Research Products
(1 results)